紀勢線 夏の夕暮れ 2014.10.28

光と影、時間と空間、人間は撮れないから、せめて空気だけでもと、からっぽの車内を撮りました。
紀勢線は、美しい田園を走っていきます。たまたまこの時は、亀山からの下り線に乗ったので、最初は森をくぐり抜けていきます。

太陽を背に受けていたのに、大きく右折して森のきわを走っていきます。古めかしいトンネルが1つあって、ここを抜けたらコテコテの伊勢弁の世界です。
「……ですに」と言われて、「何だ、その気持ち悪い語尾は!」と抗議してもダメです。
それだけじゃありません。自分は絶対にこんな変な語尾なんか使わないと思い、断固として拒否していてもダメなんです。聞いている人たちが勝手に、「あなたが……ですに、とさっき言ったですにー」と、彼らはにはそうとしか聞こえないのですから。本当に恐ろしい世界なのです。何かにつけて、こんな語尾で迫られたら、何だか腰砕けになってしまいますに-。
一見普通の地方都市という感じなんですけど、女性は少しがっしりした、鼻筋の通った美人さん、たとえば加藤紀子さん、たとえば水野美紀さんみたいな人が住んでいる町なんです。ふっと振り返ると、そういう美人さんがあちらこちらを歩いています。なのに「……ですに」なのです。このギャップ!
そこを抜けると、田んぼの中を走ります。そして、山の中へ、「しものしょう」という駅ですね。完全な山の中です。
しばらくしたら、県内随一の進学校・高田高校が左に見えるはずです。

駅名表示は「つ」です。これは日本一短い駅名でしょうね。


反対側に車両が見えたら、たぶんどこかの駅ですれちがいなんでしょう。単線なんて! まあ、田舎だから仕方ないですね。
だんだん日が暮れてきました。夏の夕焼けは、さびしくなくていいですね。お酒飲みたい。腹減ったー!
とか言ってればいいのだから。

亀山駅から伊賀方面の山々に沈んでいく夕陽を写真に撮りました。その夕陽の彼方から、津・松阪方面行きの列車が来るんです。まるで太陽に指令されたみたいな、夕暮れ鉄道という感じです。
