見出し画像

私家版ハッカーズディクショナリ2026 [E] EA, Eclipse, Emacs, e-mail, EUC

前ページ:[D] DBMS, DirectX, DOS/V, DRY, DX
次ページ:[F] Facebook, FAQ, FAX, foo, FP


[E]

EA

(1) EA(Enterprise Architecture)とは、会社全体の事業や情報、システム、技術などの全体最適化を目指すアーキテクチャであり、ザックマンフレームワークをベースにしている。
(2) 米国のFEAF(Federal EA Framework)ではEAをビジネス、データ、アプリケーション、テクノロジのアーキテクチャに分解している。なぜか日本ではそれぞれを個別に検討・定義して、部分最適化を目指しがちである。
(3) 部分最適化ではなく全体最適化を目指すEAは都合よく解釈されていて、不景気になる度にリストラに利用されている。「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」という孔明の言葉と同意である。
(4) 日本のEAはシステムと技術寄りのエンジニア系になっている。一方、ビジネス系はスルーする傾向にある。これはDXでも同様の傾向があり、EAやDXが失敗する原因である。そして失敗したときの弁解にもなる。

Eclipse

(1) EclipseはJavaなどを対象にした統合開発環境であり、最初にIBMが開発し、その後OSSとして公開された。Eclipseには多数のプラグインソフトウェアがあり多機能であり、多くのエンジニアに受け入れられた。
(2) 上記のようにEclipseには多数のプラグインがあるので、同じEclipseでもプラグインの選択により、大きく異なっている。特に日本語化プラグインを入れるかどうかで、一般人か意識高い系かで別れる。
(3) 会社ではプラグインがばらばらであると管理がしにくいという理由で、統一した(お仕着せがましい)プラグイン構成が取られる。もちろん、ハッカーぽいエンジニアは自分好みにこっそりとカスタマイズする。
(4) Eclipseはプログラミングだけでなく、テキストエディタとしてもHTMLエディタとしても有用であり、さらにチャットツールとしても使われている。この結果、Eclipseで遊んでいてもばれない(たぶん)。

Emacs

(1) Emacs(Editing MACroS)とは、最初にTOPS-20のラインエディタTECOのマクロとして登場し、その後UNIXのテキストエディタとして発展してきた。EmacsはLispによる拡張が可能で統合開発環境としても使われていた。
(2) UNIXのテキストエディタの主流であるviは挿入とコマンドのモードを持つエディタに対して、Emacsはモードレスなエディタである。このため、Emacsはモードを記憶できない人でも使えた。
(3) EmacsはLispによる拡張ができ、このためにEmacs Lispを覚える人も多かった。そしてEmacs Lispで遊びのプログラムを作って、遊んでいた。エンジニアは遊ぶために勉強するのである。
(4) EmacsでゲームやWebブラウザもあったが、テキストだけを扱う地味なものであったので、遊ぶための統合開発環境としては廃れていった。
(参考)「コンピュータ今昔物語6~Emacs対vi (UNIXミニコン VAX-11)」の「Emacs対viの戦争

e-mail

(1) e-mail(electronic mail、電子メール)とは、ネットワークを介して、メールのやりとりをするシステムである。当初はテキスト中心であったが、その後MIMEによりマルチメディア対応になった。
(2) e-mailではメールアドレスで宛先を指定する。メールアドレスにはアカウント名が入るため、個人名のように見えるが、あくまでも住所である。このため謎のビジネスマナーにあるようにメールアドレスに「様」は付けない。
(3) e-mailの本物のマナーはRFCに記載されているが、それを守らないと古老から注意を受ける。半角カナや丸数字などの機種依存文字はご法度である。
(参考)「日本語とコンピュータ(半角カナの呪い)
(4) 以下のような過去の貧乏時代の名残であるマナーも健在である。
・タイポは直さない(相手の修正能力を信じろ)
・全文引用はしない(相手の検索能力を信じろ)
・端的に伝えろ(相手の寛容さを信じろ)

EUC

(1) EUC(End User Computing)とは、現場部門(エンドユーザ)がソフトウェアの作成やカスタマイズをすることである。当初のEUCは手作りであったが、その後、RPAやノーコードツール、生成AIなどを使うようになった。
(2) EUCは現場に役立つソフトウェアを短時間で効率的に作成できるが、その運用や保守は後回しになる。そして誰も管理できない無法地帯のシャドーITだらけになる。つまりEUCは現場を幸福にするが管理部門は不幸になる。
(3) EUCはエンジニアの仕事を開発からEUCの子守りにする。ときにはデバッグさせられることもある。しかしお金はもらえるので我慢する。
(4) EUCなどのソフトウェア開発のユーザ内製化が主流になると、エンジニアはコンサルタントか下請けに二極化することになるので、今から身の振り方を考える必要がある。

あとがき

今回の記事は[E]のページとして、EA, Eclipse, Emacs, e-mail, EUCを取り上げました。今回はEclipseとEmacsは統合開発環境として取り上げました。EAとEUC、e-mailはともに1990年代頃から流行していました。
なおハッカーズディクショナリは、個人の感想であり、違和感や反論があるかもしれません。用法用量を守って注意してお読みください。

(参考)参考文献

私家版ハッカーズディクショナリ2026 索引

[A]
Ada AI ALGOL Android Apple
[B]
BASIC BBS BIOS BNF BSD
[C]
C CI/CD CISC COBOL CORBA
CPU CRUD CUI Cygwin C++
[D]
DBMS DirectX DOS/V DRY DX
[E]
EA, Eclipse, Emacs, e-mail, EUC
[F]
Facebook, FAQ, FAX, foo, FP

関連NOTEマガジン

エッセイ:エンジニア未来日記
現代ソフトウェア開発読本/プログラミングの掟/プログラマ日常
関数型プログラミング事始め
ソフトウェア開発マンガFAQ
プログラミングの掟
笑撃!プログラマの日常ドラマ
AIもコスパが大事

Facebookのグループ紹介

ソフトウェア研究会「とある技術のソフトウェアエンジニアリング」
DX研究会「とある技術のデジタル変革」

いいなと思ったら応援しよう!

五味弘 よろしければサポートをお願いします!