見出し画像

「日本一うまいマクドナルド」の正体は、味じゃなかった。

それは“設計の差”だった。

去年、「日本一うまいマクドナルド」として鬼バズりした大阪・庄内店に行ってきました。
正直に言うと、行く前は半信半疑でした。

マクドナルドは、外食チェーンのマニュアル化における“絶対王者”。
どの店舗でも、同じ材料・同じ手順・同じオペレーションで作られる。
そこに“日本一”なんて差が生まれる余地はない。
それが、訪問前の率直な認識でした。

ちなみに私は、
「マクドナルドはなぜうまいのか?」を構造的に分析し、書籍化したことがあるレベルのマニアです。
だからこそ、味のブレが一番分かる
ダブルチーズバーガーセットを迷わず注文しました。


違和感の正体は「味」ではなく「精度」


紙袋を開けた瞬間、すぐに違和感がありました。
見た目は知っているダブルチーズバーガーなのに、どこか違う。

例えるなら、
パラレルワールドのダブルチーズバーガー。

少し眺めて、ようやく言語化できたのがこの一言です。

異様に、丁寧。

ハンバーガーは「下から積み上げる」食べ物です。
バンズ・パティ・チーズ・ソースが、中心軸からズレずに積まれるかどうか。
これは、実はかなり技術が要る。

積みがズレると、
・噛んだ時の抵抗
・味の広がり
・食感のリズム
すべてが崩れます。

庄内店のバーガーは、
高価格帯バーガーで見るような“設計された積み”が、
マクドナルド価格帯で成立していました。


バンズは「素材」ではなく「状態」で決まる


持ち上げた瞬間、思わず声が出ました。

バンズの表面が、異常にすべすべ。
湿気を吸っていない。クタっていない。

歯を入れると、
ほんの一瞬、パリッとする。

これは、何百回も食べてきたマクドナルド史上、初めての体験でした。

重要なのは、
これはレシピの違いではない、ということ。

・焼成後の扱い
・包むタイミング
・置き時間
・湿度管理

「どう作るか」ではなく「どう扱うか」
この設計精度が、体験を変えていました。


味ではなく「体験設計」が完成していた


積みが正確だから、
かぶりついた瞬間の食感がきれいに揃う。

バンズの気泡が潰れていないから、
口溶けが異様にいい。

結果として、
「うまい」という感想に帰着するけれど、
本質は味ではありません。

体験のノイズが、極限まで削られている。

これが、
「人生で一番うまいマクドナルド」と感じた理由でした。


ポテトが普通だったことが、逆に答え


ちなみに、ポテトは
「他店より、ちょっと美味しい」くらいでした。

揚げたて指定をしていなかったこともあり、
完璧とは言えない状態。

でも、ここで確信しました。

庄内店は、
すべてを特別にしているわけではない。

“体験の要”にだけ、異常な精度を注いでいる。

だからこそ、
主役であるバーガーの完成度が際立つ。

これも、明確な設計です。


マニュアルは「均質化」ではなく「余白」だった


同じマニュアル、同じ材料。
それでも体験に差が出る。

これは、
マニュアルが“縛り”ではなく、
精度を上げる余白として機能している証拠です。

デザインも同じです。

ルールがあるからこそ、
どこに力を注ぐかが、浮き彫りになる。

庄内店は、
マクドナルドという巨大システムの中で、
設計精度を極限まで突き詰めた店舗でした。

正直、予想を遥かに超えていました。
大阪で「どこ行くか迷ったら」の選択肢に、
本気で入るレベルです。



このアカウントでは、
デザインの考え方、プロセスの整理、思考と言葉の扱い方を中心にまとめています。
実務でも学習でも使えるよう、専門用語はできるだけ減らし、
理解しながら進められる内容を発信します。

それでは、次回の記事であいましょう。
フォローもぜひお願いします。

#デザイン思考 #体験設計 #サービスデザイン #UX設計 #飲食デザイン #マクドナルド研究 #設計の力 #プロセスデザイン #品質設計 #ブランド体験 #デザインの視点 #日常のデザイン #思考の整理

いいなと思ったら応援しよう!