なぜカミナシは、数字よりも先に「組織の熱」に投資するのか?
こんにちは、カミナシ営業責任者の富澤です。
この8月で入社から5年。10名だった組織は170名に成長し、プロダクトも5つに増えました。
この5年間、カミナシの営業責任者として激動の日々を過ごす中で、一つの確信にたどり着きました。それは、商談数やパイプラインといった数字だけでは語れない、成果の源泉は「組織の熱」にあるということです。
組織の熱が高まれば成果が出る。下がれば成果も落ちる。この相関に確信を持ってからは、数字に伸び悩んだ時こそ、真っ先に「組織」にテコ入れするというスタイルを貫いてきました。
この記事では、僕自身のリアルな経験を交えながら、「熱と成果の相関関係」がなぜ生まれるのか、そしてどうすれば組織の熱を高められるのかを徹底的に掘り下げていきます。スタートアップ界隈はもちろん、広く営業に関わるすべての方に、この気づきを届けたいと思います。

数字がすべてだと思っていた5年前
カミナシに入社する前の僕は、ベンチャー企業で営業のマネージャーをしてました。その会社に入る前は内資大手でMRをしていたので、ベンチャー企業に入ってからのカルチャーショックは相当でした。誇張抜きで最初は毎日辞めたいと思っていたのですが、その理由が「厳格な数字管理についていけない」でした。
ただでさえ目標にリーチしていないのに、KPI管理や説明資料作成に時間を取られ、最初の半年間は毎日弱音を吐いていました。
しかしながら、この経験が僕の土台を作り変えました。次第にKPI管理をしないと気持ち悪い体になっていき、1年後には得意分野と感じるように。その得意が活きる「インサイドセールス組織」の立ち上げを行い、大型連休をすべてツール(Tableau)の習得に費やすほどのめり込みました。
数字を見ても、実行できなければ意味がない
当時は、事業フェーズ的に「どうすれば成果がでるのか」はある程度型があり、どちらかというと「どこにどのくらいリソースを投資するのか」が勝敗を分けていたので、そういった管理手法こそマネジメントの腕の見せ所でした。
しかし、カミナシに来てからはそれでは全く歯が立ちませんでした。そもそも2-3名の営業組織には可視化するべき「過去のデータ」はほとんどありませんし、統計的に十分な分析もできません。
どれだけ正確に現状を把握しても、筋の良いリカバリ策を考えても、実行しなければ意味がない。このやり方が駄目だと気付いてからは、Excelと向き合う時間を現場解像度を高めるために使い、1案件に深く入り込み、全体感よりも局地戦を制するスタイルに切り替えました(このあたりの試行錯誤は、3年前に書いたこちらのnoteに詳しいです)。
一方でこの時でさえ、「立ち上げ期の今はこの戦い方が良い。事業が軌道にのってきて、組織も拡大してきたら、もともと自分が得意としていたKPI管理を存分に活かそう」と思ってました。そんな風にアドバイスを頂いたこともあったし、そうなっていく事業も多いと思います。
しかし、それからまた3年がたち、今はまったく逆の立場にいます。
組織が拡張してきたからこそ、数字よりも「それを実行する組織の熱」に目を向け続けなければならない。むしろその重要性は年々増してきていると感じています。
営業の「本気」がお客様を動かす
「組織の熱」とは、単なる勢いや気合いではありません。僕が最も重要だと考えるのは、組織単位で「本気になれているか」という観点です。この「組織の熱」こそが、お客様の「本気」を引き出し、事業を動かす「本気ドミノ」を生み出していくのです。
受注の鍵はお客様の本気を引き出すこと
カミナシが提供するのは、単なるツール販売ではなく、お客様の仕事のやり方そのものを変える提案です。お客様の立場に立つと、この提案を受け入れプロジェクトを進めていくということは、これまで30年、40年と変わらなかった仕事の方法論から脱却し、多くの社員を巻き込んだ変革の意思決定をすること。部分最適ではなく、基幹業務そのものを変えに行く判断です。関係者は増え、反対の力も働きやすい。ネガティブな声は雪だるまのように増え、保守的な見解も巻き込み範囲に比例して増えます。
つまり、企業内でカミナシを推進したい担当者の方には、それだけの覚悟が求められます。論理的な提案資料だけでは複数名の納得を得るには足りず、「進めたい」という強い意思を示す必要があるのです。
お客様の「本気」が会社を動かす瞬間
営業はそのお客様の覚悟の"芽"を支援し、ともに大きくしていく必要があります。僕自身、これまでそうしたお客様の覚悟が会社を動かす瞬間を何度も見てきました。
最終プレゼンで、決裁者に「価値は理解しました。だが、使う人の覚悟は?」と問われ、数秒の沈黙の後に担当者が「やりたい」と回答。役職で3階層ほど離れている方の発言でしたが、この一言で空気が変わり、プロジェクトは前進しました。
別の案件では、普段は作業着の担当者が社内プレゼンの日だけジャケットを着用し、営業が話す前に自ら「なぜ進めたいのか」を熱弁。最後に決裁者が「現場の本気がすべて。反対する理由はない」とコメント。
これらは論理だけでは説明できない感情と意思の勝負でした。こうした熱に触れるたびに、「この本気度に営業が負けている場合ではない」と強く思います。
1件に本気になれない組織は100件やってもなれない
こうした意思決定の場を踏まえると、本気度が欠けた営業の提案はお客様にとってはノイズになり得ます。
自分の数字だけを追い、顧客視点が欠落した交渉。
論理的な説明ばかりで、担当者の不安や覚悟に寄り添わないコミュニケーション。
指示待ちで受動的な対応。新しい取り組みを一緒に進める伴走者になれていない。
逆に言えば、お客様の本気を引き出し、覚悟を育てられる営業こそが、難しい案件を勝ち取れる。ここまでやらなくても多少は売れるかもしれませんが、それでは顕在化したニーズにしか届きません。成果を大きく出すために、営業の"本気"は nice to have ではなく must have です。

「本気になる」とは何か
では、本気とは何か。僕がカミナシで見てきた本気は、次のような行動や姿勢を伴っています。
お客様の成功のため、役割や期待を超えてやり切る
お客様の懸念を自分ごととして捉え、解決策に落とし込む
遠慮なく周囲を巻き込み、社内外にモメンタムを生む
成果に向き合い、恥をかいてでも周囲に助けを求める
失注リスクを何度も洗い出し、先回りして行動し続ける
営業責任者である自分自身が、こうしたメンバーの本気にいつも勇気づけられており、長く事業に向き合い続けられるのも、現場の熱のおかげです。現場の本気というものは、社内外問わずに誰かに伝播し、知らず知らずのうちに事業を前に進めるエネルギーがあります。
組織の熱をつくる、5つの仕組み
言うは易く行うは難し。組織の熱は放っておけば下降していきます。高めるのは難しいが、現状維持は後退を意味します。この難しいテーマと向き合う中で、僕自身も数字だけでは安心せず、組織の熱を注意深く観察することが習慣になりました。完璧とはまだ遠いですが、僕らが続けている5つの「仕組み」をご紹介します。
1. 採用にこだわる
組織の熱の源泉は、言うまでもなく「人」です。だからこそ、採用には徹底的にこだわります。スキルや経験ももちろん大切ですが、それ以上に重視するのは、事業やお客様に本気で向き合う「胆力」と変化を牽引する「リーダーシップ」です。本気で取り組むことは、時に孤独や葛藤を伴います。それでも挑戦したいと思えるか。その内なる動機こそが、熱を燃やし続けるガソリンになるからです。
2. 目標設定にこだわる
目標設定は特にこだわります。2つの観点があり、1つ目はチーム全体の目標ラインです。事業計画そのものもそうですが、そこから配分される各チームの予算にも時間をかけて調整します。安全圏の目標では組織の熱は上がらないが、遠すぎると自信を失う。野心的だけど、絶対に無理ではないラインにこだわり設計します。
もう一つは、個々人の目標設定。3ヶ月に1回のリズムで設計→振り返りをしていますが、中でも重視しているのが、定性的な目標の見直しです。事業の速度感が早いので、前に設定した目標が思ったよりも早く満たされたり、チャレンジしてみて軌道修正していく、みたいな状況に多く出会います。そのときにそれを放置するのではなく、すぐにアップデートし、次の旗を立てる。個々人が未来に対してワクワクしていなければ、お客様への貢献に使うエネルギーもジリ貧レースになります。大事。
3. コミュニケーションにこだわる
Slack
Slackは、日々の体温を測る温度計のようなものです。成果もでているし、お客様にも向き合えているときは、自発的かつ前向きな情報共有が増えます。高い発信量を維持するのは難しく、チーム単位でも温度感が分かれるものです。ただ、不思議と発信の多いチームは成果がついてくる。発信が減るときは心理的ハードルが上がっているそれなりの要因があるため、それを特定して取り除きにいきます。
Win-session
立ち上げ期から続けているのが金曜日のWin-session。新規メンバーも含めて絶えず変わる中で、相互の活動を知り、Win(褒め)を探す&知る時間です。日々、事業に向き合うためには健全な摩擦も重要。一方でそのカウンターとなる関係構築の時間はもっと重要です。
朝会
メンバーが20名を超える頃くらいから取り入れているのが出社時の朝会。週1の出社日のコミュニケーションをより有効活用するために、朝イチで会話する時間を取り入れています。組織の活力になるようなテーマ設計を、"カルチャー大臣"という専門チームが企画してくれています。

4. 小さな進捗にこだわる
営業の成果は"受注"です。しかし、受注はどんなに成果がでる営業でも、月に数件。それだけにフォーカスすると、いつの間にか熱は下がっていることも。そのため、受注に近づいているプロセスに注目し、小さな一歩でも発信を促したり、称賛できるような工夫をします。
象徴的なのが定例会議の進め方。特に期初などは受注が出づらいため、定例会議の共有がこじんまりしがちです。そんなときにも、お客様の一言や社内での前向きな動きも発信し、チームが進んでいる感覚を失わないようにします。
5. マネジメントにこだわる
組織の熱に良くも悪くも最も影響を与えるのがマネジメント。特に、「熱を下げる」ことを簡単に実現してしまうのがマネージャーの言動です。それだけ影響力も大きいし、メンバーからの注目度も高い。そのため、マネージャーの集まる会議では、数字の話だけではなく、組織の状態やピープルマネジメント上の不安などを共有する時間を設けるようにしています。違和感を感じたらいつでも共有しあえる関係が理想なので、マネジメント間の緊張関係は極力下げておくのが理想です。
また、自分自身を筆頭にマネージャー自身の目線を常に上げ続けることも同様に重要。営業は「売上責任」という会社の中で最も短期的な指標に責任を持っている立場なので、放っておけば足元数字のことばかり考えてしまう仕事です。しかし、短期的な成果に対しては打ち手も限られるし、変化幅も大きなものは期待できない。思考する時間軸を伸ばし、少し先の未来を大きく変化させていくことに目線を置く。その思考が、チームアナウンスや1on1を通して、結果的に組織全体の温度が上がっていくことに直結するはずです。
最後に
カミナシは今、さらなる拡大フェーズへと向かっています。 組織が大きくなるほど、一人ひとりの熱を保ち、伝播させていくことは難しくなります。だからこそ、今後はより「組織の熱」を生み出し、高めていくための文化づくりに、全員で取り組んでいきたいと思っています。
この文章を読んで、少しでも「ピンと来た」方は、ぜひ一度お話しさせてください。 お客様の変革を後押しし、事業を本気でつくりたい仲間を募集中です! あなたの「熱」を、カミナシで爆発させてみませんか?
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