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『病気や障がいと生きながら「自分らしい人生」を作る心理学』

 
このコンテンツは、先天性心臓疾患を持ちながら30年以上、心理カウンセラーを続けてきた私自身の経験と、大学・研究所での心理学的訓練をもとに作成しています。病気を『ネタ』にするのではなく、同じ痛みを持つ方に、私が生きてきた中で見えてきたことを届けたいという思いで書いています。
 

はじめに

「普通」じゃなくていい、という話をします

この冊子を手に取ってくれたあなたへ。

まず、一つだけ聞かせてください。
今、どんな気持ちでここを開きましたか。

「何かが変わるかもしれない」という期待でしょうか。
「もう疲れた」という正直な気持ちでしょうか。
それとも、
「どうせ自分には無理かもしれないけど」という、
半信半疑の気持ちでしょうか。

どんな気持ちであっても構いません。
どれも、あなたの正直な気持ちです。

そして、どんな気持ちで開いてくれたとしても、
あなたがここにいることを、私はとても嬉しく思っています。


私のことを、正直に話させてください


この冊子を書いた私は、心理カウンセラーです。
大学で心理学を専攻し、卒業後は心理学研究所で研鑽を積み、
30年以上、現場で、多くの方の心に寄り添ってきました。

でも、それだけでは、この冊子は書けませんでした。

私には、もう一つの「顔」があります。
先天性心臓疾患を持って生まれた、患者としての顔です。

生まれる前から、心臓に病をもっていました。

幼い頃から、身体が「普通」とは違うことを、
毎日感じながら生きてきました。

体育の授業も、参加できませんでした。
みんなと一緒に走れませんでしたし、
みんなと一緒にボールを追うこともありませんでした。

みんなが運動場で、明るく楽しく走り回っているのを、
教室で、ひとり、窓からグランドを見ていました。
みんなが教室で着替える時なども、みんなに、迷惑をかけているんじゃないんやろうかと不安でした。

グランドでの体育だけでなく、プールも、
遠足も、運動会も、修学旅行も、参加できませんでした。

「将来どうなるんだろう」という恐怖が、
物心ついた頃からずっと頭の片隅にありました。

「なぜ私だけ」と、布団の中で泣いた夜が、何度あったかわかりません。
「普通に生きたい」と、どれほど思ったかわかりません。

だから、私はあなたに言えます。
「この人は、きれいごとを言っているだけだ」とは、
思わないでほしい。と。

私は、私なりにではありますが、身体の痛みを知っています。
先が見えない不安を知っています。
周りに気を遣いながら、本音を飲み込んで生きることの重さを
知っています。

「普通じゃない」と感じながら生きることが、どういうことか
——それを、頭だけではなく、身体でも知っています。


30年以上、カウンセリングの現場で、私が見てきたもの

心理カウンセラーとして30年以上、何百人もの方と向き合ってきました。
講演やセミナーを含むと、桁違いの数の人に向き合ってきました。

その中には、慢性疾患を抱えながら懸命に生きている方がいました。
障がいと向き合いながら、それでも夢を諦めきれない方がいました。
家族への罪悪感で押し潰されそうになりながら、
それでも笑顔を作り続けている方がいました。

そして、ほぼ全員が、同じことを感じていました。

「普通の人生を送れないと思っている」
「将来への不安が頭から離れない」
「病気のせいで夢を諦めなければいけないのか」
この3つです。

私はその度に、心が痛くなりました。
なぜなら、その言葉は、かつての私自身の言葉でもあったからです。

でも同時に、私には、確信していることがありました。

その苦しさは、弱さではない。
そして、病気があっても、
「自分らしい人生」を作ることは、できる。
と。

30年以上の臨床経験と、
自分自身が、身体の制約と生きてきた経験から、
そのことを私は知っています。

この冊子(書籍・本)は、その確信から生まれた冊子です。


この冊子が、あなたに届けたいこと

この冊子は、「頑張ろう」と言う冊子ではありません。
「もっと前向きに」とも、
「感謝しなければならない」などとも言いません。

ただ、まっすぐ、正直に伝えています。

・自分を責めなくていいこと。
・諦めたと思っていた夢が、形を変えてまだそこにあること。
・感情は敵ではなく情報であること。
・人に頼ることは弱さではないこと。
・制約の中にこそ、本当の優先順位が見えてくること。
・折れそうな日は必ず来るけれど、また戻ってこれること。
そして何より——
「普通じゃない人生」が、
あなただけの(あなたらしい)人生になる日が、必ず来ること。

この冊子を読んでいる間、
カウンセリングルームで向き合うように、私はあなたのそばにいます。
ゆっくりでいい。立ち止まりながらでいい。
一緒に、歩いていきましょう。
 


第1章|
あなたが「普通」を諦めなければならない
と思っている理由

——まず、今の自分を正確に知る

この章を読み始めてくれたあなたへ、まず一つだけ言わせてください。

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55,708字

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