「人生儀礼」っていつやるの?その疑問、お答えします――1生《人生儀礼と歩む》Vol.07
人生の節目を大切にするということ

「安産祈願を忘れたから、産まれてからお参りする」 「2歳の誕生日だけど、1歳の誕生日を忘れたから今お祝いする」
そう聞くと、少し不思議な気持ちになりませんか?
人生には、その時にしかできないこと、その時だからこそ意味を持つことがあります。
神社で執り行う「人生儀礼」もまた、人生の節目に神様へ祈りと感謝を捧げ、心新たな覚悟を持つ、大切な儀式です。
今回は、人生儀礼の持つ意味や大切さについて、代表的な儀礼を例にご紹介します。
人生儀礼は「時期」が大切
人生儀礼のタイミングは、それぞれに深い意味があります。
神様にお参りする際、年齢は「数え年」で数えるのが昔からの習わしです。数え年では、お腹に命が宿った時から数え始め、生まれた時は1歳。そして元旦を迎えるたびに年を重ねます。
人生儀礼は、医療が発達した現代でも、命がけで子を産み育てる親の覚悟や、社会の一員として自立していく自身の覚悟を、神様の前で誓う大切な機会なのです。
赤ちゃんの無事な誕生を願う「安産祈願」
懐妊五か月目の戌(いぬ)の日に行うのが、古くからの風習です。犬は多産で安産なことにあやかり、この時期に「岩田帯(いわたおび)」と呼ばれる帯を締める「着帯の祝い」をしました。
現代でも出産は命がけです。心穏やかに赤ちゃんが無事に産まれてきてくれるよう、神様にお願いする大切な時期です。遠方に住むご夫婦に代わって、ご両親がお参りされることも多く、家族みんなが赤ちゃんを迎える準備をする機会でもあります。
誕生の感謝を伝える「初宮詣」
赤ちゃんが生まれて初めて、その土地の神様である「氏神様」にお参りする儀式です。一般的には男の子は生後31日目、女の子は生後33日目頃にお参りするとされています。青森県津軽地方では、男の子は120日目、女の子は110日目に行うのが習わしです。
これらの日数はあくまで目安です。お子さんとお母さんの体調、ご家族の都合、天候などを考慮し、無理のない日を選んでお参りしましょう。
子どもの健やかな成長を願う「七五三」
3歳、5歳、7歳のお祝いです。男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳で、晴れ着を着て氏神様にお参りします。古くは、この時期の子どもの成長を願って行われてきた儀式が七五三の起源です。
3歳「髪置(かみおき)」:それまで剃っていた髪を伸ばし始める儀式。
5歳「袴着(はかまぎ)」:初めて袴を着る儀式。
7歳「帯解(おびとき)」:幼児用の付紐(つけひも)を外し、大人と同じ帯を使い始める儀式。
一般的には11月15日とされていますが、雪深い青森県では10月から七五三詣を行うことが多く、地域によって時期は異なります。
役を担う準備をする「厄祓い」
男性は25歳、42歳、61歳、女性は19歳、33歳、37歳が「厄年」とされています。厄年は肉体的・社会的にも転機を迎えやすく、災難に遭いやすい年と考えられてきました。
しかし、古くから厄年は還暦や年祝いと同じく「晴れの年」でもありました。地域社会で一定の役割を担う準備をする年であり、「厄」は神様にお仕えする「役」という意味も込められていたのです。
この機会に、自分自身の人生を振り返り、これからどう生きていくか、神様に誓いを立ててみるのもよいでしょう。
人生儀礼は、単なる風習ではなく、それぞれの節目で神様に感謝を伝え、自分自身の覚悟を確かめるための大切な時間です。
お子さんの成長を親として見守っていく覚悟、社会の一員として自立していく覚悟…その時々で、私たちは人生の新たな一歩を踏み出します。
神社へお参りする際は、ぜひその節目が持つ意味を心に留めてみてください。きっと、より深く神様とのご縁を感じられることでしょう。
名久井権禰宜
