#10 ゲームは遊びじゃ終わらない② ~「水滸伝」が教えてくれたこと~
1980年代のレトロゲーム、コーエイテクモの「水滸伝」。ゲームの攻略方法から紐解く学びとは!?
ゲームの攻略方法
その1 自分の強みを利用して、敵より早く動く
これは敵と真っ向勝負するやり方ですね。
狙い目は魯智深。こいつには武松、楊志といった、戦えばまず勝てそうにない豪傑が配下にいるのですが、ゲームスタートの段階では「武装度」というパラメーターがとても低いのです。
この「武装度」は戦いの強さに直結していて、どんな剛の者でも武装度が低ければ恐れるに足りません。
武装度を上げるには、町で武器を買ってくるか、民衆から鉄を徴収して自分で作るかの2通りの方法があります。
しかし李応の本拠地には武器屋がないので(田舎!)、武器を買うことができません。
あったところで、買うお金もありません(貧乏!)。
ところが李応は…「鉄の徴収」が得意なんですねー!
自分で武器を作ることもできます。
これもアレコレやっているうちにようやく気付く李応の強みなのですが、そこに気付きさえすれば、なんとか短期間で他の勢力と戦えるようになります。
そうして倒した魯智深・武松・楊志を仲間にできれば、一気にクリアしやすくなるのです。
とはいえ、敵もあっというまに体制を整えてきて、すぐにお互い手を出しにくい拮抗状態に陥るので、まさにスピード勝負。
かなり慣れと技を要求される戦い方です。
その2 逃げる
ミもフタもないタイトルですが、実は初心者にオススメなのがこっちの方法。
マップをよく見ると、西側には広めの空白地があります。
そこまで逃げて、改めて勢力を作るという方法です。

「逃亡」というコマンドを選べば、領地、名声(このゲームでは「人気」というパラメーターですが)、財産などを放棄して、マップ上の好きなところに逃げることができます。
よく考えれば、なにもあんな競合ひしめくレッドオーシャンで戦わなくてもいいわけで。
でもこれ、やろうと思ったら結構難しいのです。
なぜなら、既に領土を持っちゃってるから。
なんか、ここで頑張らないといけないような気がしてしまうんですよね。
既に持っている財産、掌握した人心、評価を全て手放して、新天地を求めて動く…
捨てる=後退するというイメージがあって、タイムリミットのある本ゲームでは特に選択しにくい一手です。
でも実際、この方法こそゲームクリアの早道なのです。
ゲームをやって思うこと
誰が何と言おうが、逃げていい
私が最初に勤めた会社では、社員に
「会社と社員は一蓮托生。会社を辞めて他社に入りなおしたら、待遇も退職金も下がるのは必至。損をするので転職はしない方がいい」と教えていました。
採用ってお金かかりますもんね。採ってすぐにやめられたら困る、というのも分かるのですが。
そして1社で定年まで勤めあげるというのも、大変すばらしいことです。
しかしそれはどこか、自分ではない、他人にとって都合のいい教えではないかとも思うのです。
置かれた環境で、できる限りのことを試してみればいい。
ひとしきりやって、向かないと思ったら、思い切って逃げていい。
そうして、あらためて自分が戦えるフィールドを探す。
そこでは、以前よりももっといろんな仲間を見つけやすい。
それでいいじゃないの、とこのゲームは教えてくれているような気がします。

後記:小説の「水滸伝」
実は原作「水滸伝」では、梁山泊の面々は奸臣たちに利用されるだけ利用されて、ひとり、またひとりと命を落としていきます。生き残った者も、あるものは病に倒れ、あるものは罠にかけられ自ら命を絶ち、気付けば大半の英雄が露と消える、やがて悲しい物語。…
それではあまりに救いがないと思ったのか、のちに創作された「後水滸伝(もしくは水滸後伝)」では生き残った豪傑たちの活躍が描かれ、一応のハッピーエンドを迎えるのでした。
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