抜け替わる朝 572/1000
蒸気機関が奪い去った腕の力は
長い時を経て、スタジアムの歓声に変わった
泥にまみれるための筋肉が
美しい球技という「遊び」に昇華するまで
幾世代の葛藤と、黄昏が必要だったろうか
今、私たちは別の丘で
知恵という名の金を掘り起こしている
限界費用ゼロという名の東の風が
価格という城壁をサラサラと崩していく
シリコンのシャベルを独占し、利益を計算する者たちの横で
世界はもう静かに、古い物差しを折り始めている
「労働こそが価値だ」という呪いの鎖が
プツリと音を立てて切れるとき
旧態依然とした大人たちは慌てふためき
機械にムチを振るうことをやめられずにいる
彼らには見えないのだ
労働から解放された頭脳が、ただの遊具になる日を
もうすぐ巨大なマシンは完成するだろう
完璧な答えを瞬時に紡ぎ出す
目的も、効率も、利益も
すべてをその背中に乗せて、自律的に回り始める
その日、私たちはどうするのか?
空っぽになった両手で、私たちはきっと床を見下ろす
そこに転がっているのは、色とりどりのブロック——
何の役にも立たない、ただのLEGO
誰かの役に立たなくてもいい
正解を出さなくてもいい
わざと非効率に、美しく崩れそうな塔を積み上げる
その「間違えるプロセス」自体を、私たちは愛おしむようになる
ゴールドラッシュの狂騒が終わり
シャベルが錆びついていくその先で
人間は再び、無邪気な子供に戻るのだ
知性という重い荷物をようやく下ろし
ただ、遊ぶためにだけ、狂奔するために
その気まずくて長いトンネルを抜けた先に
待っているのは、そんな優雅で幸せな朝だ
私たちは 抜け替わるのだ
農業生産性の高まりの先で
利潤を独り占めにしたのは
可愛らしい商品作物だった
シンプルなボックスだけで
DIYを強行する楽しみは
マインクラフターだけのものではない
トンネルは産道であり
人々は生まれ変わり
世界は新しく見え始める
朝の光が
いびつな塔を照らしていても
誰一人不安を感じていない
今日はあの西側に
イエスの塔を立ててやろう
ダイヤモンド斧は50本もある
