デジタル造形:「Fixie Girl」
前回(↓)の続き。
Blenderで制作していた「Fixie Girl」、完成。



固定ギアバイク(Fixie Bike)は私がBlenderを使い始めた頃に初めて作ったハードサーフェスものです↓。
当初から乗る人物を加えるのを想定していました。しかし、他の造形で忙しくなり作ったまま寝かしていました。ようやく当初のイメージ通りに活かせる事が出来ました。
今回のテーマ:フィギュアや3DCG世界での女性表現へのアンチテーゼ
私は昔の模型作品からすべて作品には必ず「見る人に違和感」を感じさせる表現を入れるような試みをしています。もしこの作品になんらかの「違和感」を感じられたら、私の試みは成功です。オーディエンスに「違和感を感じさせる」部分にこそアーティスティックチャレンジがあると私は思っています。
今回の作品はフィギュアや3DCG世界での日本人に人気のある女性表現やリアル・ノンリアル論争へのアンチ作品です。
私は昔から、AFVジオラマやヒストリカルフィギュアの作品もそうですが、同じように「違和感」を入れています。
例えば、このAFVジオラマ作品↓。

これは初めて私が商業誌に依頼されて制作・掲載された作品です。この作品では「なびく椰子の木」という「違和感」を入れました。動かないフィギュアに動きを出すために背景に動きを入れた表現です。マンガ的手法ですね。
「こんなのリアルじゃない」「砂漠のヤシが風になびくわけがない」という批判を想定してあえていれました。
そうです。あなたが正しい。
模型作品、いや模型という存在そのものが「リアルじゃない」
のです。どんなに「リアル」を追求しようが、時代考証・実寸考証をしようが、写真を特撮して「まるで本物に見える!」というレベルの域に到達しようが、全てフェイク。幻想。妄想。フィクション。全て作者のファンタジーの具現化なのです。
AFV模型の世界に「リアル」「リアルじゃない」という論争がよくあります。技術的な分析・考証が熱くなされ、そして時には考証理論武装で人の作品をこき下ろしたり非難したりします。昔からそれに違和感がありましたし、長い間模型を離れた間も外野から眺めつつ、それをずっと考えていました。
このジオラマ作品はいわば「そういう価値観・論争に対する私の回答作品」でした。
今回の「Fixie Girl」もそういう要素を入れています。「好み」「違和感」はひとそれぞれでしょうから、どう感じるかはご自由に。
ではまた。
