神田ぶらり(29)神田富士
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富士塚ってご存知でしょうか。
江戸時代の江戸っ子たちは富士山を神として信仰していました。そのころ江戸の町からは、どっからでも富士山が見えたからですかね。ただ、その富士山へ登ろうと思っても、新幹線も高速道路もスバルラインもなかった時代、おいそれとは出かけられません。
そこで江戸っ子たちが考えたのが「なら作っちまおう」という江戸っ子らしいアイデア。せっせと石や土を積んで、ミニチュアの富士山を作り、そこに登って拝んでいたそうで、これを「富士講」と言ったとか。
その後、富士講はすたれましたが、ミニチュア富士山は今でも東京やその近郊に残っています。これを「富士塚」といいます。山体だけでなく、ふもとの浅間神社、頂上のお鉢めぐり、大沢崩れなど、富士登山の名所や修行場もコピーしているのがほとんどです。
でも、その富士塚が神田にもあるとは知りませんでした。
はい、こちらがその「神田富士」(笑)です。

神田川南側の岸、JRと昭和通りの間にある柳森神社の境内にあります。高さは5メートル以下くらい。小さい? そう、これは正確には「富士塚の跡」なんです。
かつては江戸町内にたくさんあった富士塚も、交通が発達して本物の富士山が身近になったことから富士講が廃れると、徐々に破却されて姿を消していきました。現存するのは約50基といわれます。
この富士塚跡も、かつてここにあった富士塚を壊した後、その残土を積み上げて作ったものだとか。とはいえ昭和35年までは富士塚が存在していたそうですが。
かつては山体を作っていた岩の一部と、そこに祀られていた5基の石碑で構成されるこの「神田富士」、頂上にはこんな石碑がちんまりと座っています。「三柱乃大神の碑」だそうです。

築かれた位置が低いせいもあって、とても富士山には見えませんが、今では地元猫の憩いの場になっているようです。この日も富士山を見ながら瞑想する信心深い猫さんがいました。

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