神田ぶらり(1) 看板ビル
神田の町は歴史も古く、いろいろ面白いものが転がっていることに気づかされたのは、ごく最近のこと。この町で仕事するようになってもうじき30年だというのに(笑)
たとえば、これなどが好例だ。

一見するとごく普通のビルなのだが、その表にガラスケース入りで古色蒼然たる看板が収められている。
看板には「小田原屋本店」の文字が。
この場所に、昔は何か歴史のある店でもあったんだろうなとは思っていた。
さて、仕事の関係で最近、作家・小栗虫太郎のことを調べる機会があった。ミステリ小説の名作『黒死館殺人事件』で知られる、あの小栗だ。
その際に何気なく目についたのだが、小栗は外神田旅籠町の生まれで、父親は本家筋の酒問屋の番頭をしていたという記述があった。
そこには、その酒問屋の名前もちゃんと書いてあった。
「小田原屋」
ビックリしましたね。自分が長年にわたってぶらぶら前を歩いていた場所が、まさか昭和を代表するミステリ作家の本家前だったとは(笑)
いくつか読んだものの中には、ちょっと前までこの場所には老舗の建物が残っていたとかいないとか。残念ながら、それは記憶にないなぁ。
ちなみに現在、写真のビルの一階は某宅配業者のセンターになっています。今でも虫太郎のご親戚がここにいらっしゃるかどうかは、知りません。
