アメリカ大統領決定リーグ戦・9

アメリカ大統領選挙もいよいよ大詰め。9月26日(現地時間)から、「テレビ討論会」がスタートします。

広大なアメリカ合衆国全土を選挙区とするアメリカ大統領選挙において、すべての地域を回り直接有権者に向けた選挙運動を行なうことは、ほぼ不可能です。

そこで、あまねく全土に向けて放送されるテレビ討論会の比重は、日本の政見放送などとは比べ物にならない規模と重要度を持ちます。

よく引き合いに出されるのは、1960年に、史上初めて行なわれたテレビ討論会のこと。

そこまで優位に選挙戦を進めていたのは、共和党のニクソン候補(当時副大統領) のちに大統領当選を果たすニクソンですが、このテレビ討論会では痛恨の失策をします。

当時はまだテレビそのものの認識も甘かったのでしょう。ニクソン候補は、特にメイクもせず、カメラの前に立ってしまいました。

いっぽう、民主党のケネディ候補は、ハリウッドのプロたちとのつながりがあったせいか、専門のメイク師を雇って準備し、ばっちりメイクしてテレビ討論会に臨みました。

当時のテレビはまだモノクロ。照明も相当きつく当てねばなりません。

ノーメイクに近かったニクソン候補の顔は、陰影が濃く、目にはクマがあるように、またまるでヒゲを剃っていないかのように見えたとか。

いっぽうのケネディ候補は、メイクのおかげもあって、綺麗に映ったそうです。

まあ、そもそもケネディのほうがニクソンよりもイケメンだったし、そのうえこのハンディ。

状勢は一気に逆転。ケネディ候補が優位に立ち、そのまま選挙戦で勝利を収めたのはご存じのとおり。

この時の討論会はラジオでも同時に放送されたそうですが、ラジオだけ聞いた人の間では、ニクソン候補のほうが優位だったとかいう説もあります。

それくらい、テレビのインパクトは強烈だったということです。

その後、この件もあってか、各候補者とも、このテレビ討論会を重視するようになりました。

その他にも、討論中のちょっとした仕草や失言が選挙結果に大きな影響を及ぼした例は多く、各陣営ともこのテレビ討論会前には入念な準備をするようです。

今回は9月26日を皮切りに、大統領候補による討論会は10月の9日、19日に開催されます。

また10月4日には副大統領候補による討論会も行なわれ、いずれも全米に生中継されます。「生」というところが恐ろしいですね。

90分間の放送中はCMによる中断もなくぶっ通しで続くので、出演する候補者は息をつく暇もないのです。これは見るほうも見ごたえがありますよ。まあ日本で見るのはむずかしいですかね。

しかし、日本でも、選挙に際して、これくらいの討論会をやってもらいたいものです。そうすれば、もっと盛り上がるのに。

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