春場所ニューカマー7年後
平成27年(2015年)春場所にデビューした力士たちのその後を定点観測し続けるこの企画も8年目。
力士生命が入門後何年になるかは知りませんが、平均的なところが15年くらいとすると、彼らのもはや土俵人生も後半生にかかっているのかもしれません(もっとも近年は高校卒、大学卒の力士が増えた影響でだいぶん様変わりしてきましたが)
ではさっそく、この人のことから。ようやく、ようやく、悲願のひとつにたどり着いた年でした。
(昨年までは初土俵からの全成績を載せていましたが、さすがにデカくなったので、昨年からのものに絞りました。これ以前は前回の記事をご覧ください)

昨年までの本欄では「万年大関候補」とか失礼なことを言ってきましたが、ついにその異名を返上しました。
御嶽海、悲願の大関昇進を果たす記念の年になりました。
なんだかんだ言われながらも2021年は全6場所三役在籍で、すべて勝ち越し。最後の九州場所では11勝を上げて、年明けの初場所は大関盗りの起点になる場所といわれていました。
正直のところ、またかという気もしましたし、どのみち勝負は春場所だろうなというのが一般的な見方。私もそう思ってました。
ところが、その予想をくつがえし、13勝を挙げて賜杯を握り、一気に大関盗りに成功! これは正直言ってビックリでした。
関脇で三度目の優勝は史上初の快挙で、これは文句なしの大関昇進でしょう。いまさらながら、おめでとう!
7年前の2015年春場所に、思いつきで始めた本欄ですが、ついにここで大関昇進者が出るという慶事がやってきました。なんか嬉しいですね。
この春場所、新大関となった御嶽海は、最後は力尽きたとはいえ優勝争いにからみ、11勝4敗と合格点。
さて時代は照ノ富士の一人横綱。来年の本欄では横綱昇進を報告できるのを期待しましょう。
その御嶽海の学生時代からのライバルだった北勝富士は?

ご覧のとおり、この1年は見事に勝ち越し負け越しが交互になっています。平幕上位で一進一退を続け、下位に下がれば大勝ちというのが、ここ数年の持ち味になっちゃってますね。このままでは万年大関候補どころか、中堅力士で終わってしまいます。気がつけば三賞からも2年ほどご無沙汰しています。ライバルの大関昇進を刺激にして、後を追ってほしいですね。
北勝富士がモタついている間に、幕内上位に定着し、九州場所では小結昇進を果たしたのが霧馬山です。

新小結では跳ね返されたものの、この春場所には前頭4枚目で10番を上げました。ただ、ここのところ番付上位が渋滞気味で、その割を食って三役返り咲きはむずかしそうですが、もう一息で大関盗りレースに参戦できそうです。ここからの1年が大事になってきました。頑張れ!
負傷で大いに回り道をした宇良でしたが、この一年でいよいよ幕内に完全定着してきた感じです。

2020年九州場所で十両に復帰、4場所目の昨年夏場所で十両優勝を遂げ、名古屋に足かけ4年で再入幕、九州場所では初の三賞にも輝きました。続く今年初場所にも平幕上位で勝ち越し、三役昇進にあと一息。残念ながらこの春場所は大負けで後退しますが、相撲内容は良く、すぐに復活してくるでしょう。めざせ、三役昇進。
2015年春場所初土俵組は43人いたのですが、4人が関取に昇進。けっこう昇進率がいいように思えますが、一般に関取昇進率は1割前後ともいわれますから、これで平均値くらいですか。もう2~3人は昇進してもらいたいところですね。
ではその期待を担う、幕下以下の諸君はいかがでしょうか?
最初に残念なお知らせ。
ボディビルダー出身で2015年の初土俵時には話題を集め、本欄でもずっとその出世ぶりを見てきた朝鬼神(前名・朝山端)が、今年初場所限りで引退してしまいました。

出世は比較的早く、わずか1年で三段目に昇進しましたが、その後は壁に当たり、幕下に上がるのに2年を要しました。2017年初場所で待望の幕下昇進を果たしたものの、以来3年余、幕下と三段目を往復し続け、ついに幕下上位に進出することはかなわず。最高位は幕下西25枚目でした。これは関取昇進組をのぞいた同期生の中では、いまのところ最高位です。引退後はトレーナーを目指すそうなので、今後の活躍に期待しましょう。
さて現役組では、この一年で2人が幕下昇進を果たしました。名古屋場所で漣(さざなみ)、この春場所で諒兎馬(あきとば)が嬉しい幕下昇進です。ともに、ちょっと難読四股名ですね。


漣は3場所持ちこたえたものの初場所からは残念ながら三段目に降下、諒兎馬も初幕下の春場所は負け越しでした。幕下のハードルは高いですね。
この2人より先に幕下へ上がっていた面々も、なかなか上位へコマを進めることができません。

2020年秋場所で幕下に昇進した大和湖(おおやまとうみ)は1場所で陥落しましたが、およそ1年後の今年九州場所で幕下復活。なんとか幕下を維持し、春場所には35枚目まで上昇しました。関取チャレンジまで、もうあとちょっとですかね。

2019年には幕下昇進していたものの、その後は一進一退で三段目との往復を繰り返していた魁勇大でしたが、一念発起したのか名古屋場所から四股名を本名の小原に改名しました。その甲斐あってか秋場所で幕下に復帰。ただこの2場所は負傷のため休場続きで後退、来場所は出直しでしょう。

2021年初場所で幕下昇進した西園寺も1場所で陥落、九州場所では幕下再昇進を果たしましたが、またしても1場所で撥ね返されました。もう一息、ここが踏ん張りどころでしょうか。

昨年までも本欄で取り上げたように、中卒組でトップを走り幕下中位まで順調に番付を上げていた井上でしたが、2020年名古屋場所に負傷で途中休場し、以後昨年春場所まで4場所全休。番付は序ノ口まで降下し、以後3場所は番付外になることを避けるためか1番だけの出場。都合8場所のあいだ実質休場となっていましたが、ようやく負傷も癒え、九州場所で復帰すると、さすがに力の違いを見せてみごとに7戦全勝で優勝。以後2場所も6勝を挙げて急速に番付を戻してきました。来場所は幕下下位に復活もありそうで、今後の逆襲に期待しましょう。
朝鬼神の引退で、これで同期43人のうち27人が引退したことになります。残り16人、シビアな出世レースはまだまだ続きそうですね。
本欄も腹を据えて、全員が引退するまで見守るつもりですので、今後ともよろしくお願いしますね。
