黄金の輝き

リオ五輪が終わって、だいぶ経ちました。月日の流れるのは早い。

大会終了直後から、いや大会中からも、盛んにメダリストたちが報道やバラエティといったテレビ番組に登場していましたね。

そうしたメダリストたちが異口同音に語るのが「メダルが重い」という感想。特に金メダル獲得選手から多く聞かれます。大きさはたいして大きく見えないのですが、実際にはどうなんでしょうか。

オリンピックの金メダルにはちゃんと規定があるそうで、調べてみると、金メダルは純金製ではなく、銀などの合金のメダルに金を張るつくりになっているそうです(大会によって若干の違いあり)

ちなみにリオ五輪での金メダルの重量は、五輪史上最大の500グラム。0.5キロですから、重いといえば重いけれど。

そこに張る金の重量は約6グラムだそうです。

わかりやすく金額にすると、金の費用は3万円弱。

地金の銀合金などを合わせてのメダルの金額は、おおよそ60万円だそうです。貴金属としては、大した価格ではないですよね。

ただアレは、金を出せば買えるというものではないので、やはりあの「重さ」の大半は、名誉と希少性でしょう(実際に金メダルを売買するとしたら、60万円では買えませんよね)

ちなみに500グラムのメダルが芯まで全部金製だとしたら、同じ体積でもその重量はおよそ2倍に、金額では225万円になります。これでは重すぎるし、大会委員会が破産するかも。金の比重って、ほとんどの金属中でも、最も重いんですよね。

さて、そんな黄金をめぐる映画といえば、なんといっても「007/ゴールドフィンガー」(1964年) ジェイムズ・ボンドと黄金を愛する謎の大富豪ゴールドフィンガーの対決。そのクライマックスは、アメリカのケンタッキー州にあるフォート・ノックスという金塊保存庫で行なわれます。

アメリカが国家として保有する金の大半がここに所蔵されているという実在の施設で、現在でも1000トン以上の金塊がそこに眠っているとか。計算してみると4.5兆円分。なので、映画に描かれたように、軍隊が警備にあたっています。というか、大規模な陸軍基地の中に金庫があるんですね。

そんな場所でロケできるわけもないので、映画ではスタジオで再現されていますが、ボンドとゴールドフィンガーの子分である怪力の大男オッドジョブの対決の背景に山積みにされた金塊は迫力満点でした(もちろんダミーでしょうが、CGではない) 映画史上最も豪華な格闘シーンでしょうね。

対決中、怪物オッドジョブに苦戦するボンドが、苦しまぎれに金塊を投げつけるシーンがありますが、あれ標準的な金塊だとしたら重さ12.5キロ。そんな重い物を投げつけるボンドもすご過ぎだが、それをケロッと跳ね返すオッドジョブもすごい。この金塊、金額にしておよそ3800万円。映画史上最も高価な凶器攻撃かもしれませんね。

その「007/ゴールドフィンガー」で、最初にボンド氏がゴールドフィンガーをひっかけるのに使われるのが、俗にいうナチ・ゴールドという金の延べ棒。

第二次大戦中までにナチス・ドイツが蓄積していた財宝は莫大なもので、その大半が黄金として秘蔵されていたとかいないとか。一定割合の鉛を混入し、延べ棒にはナチの紋章を刻印したとか、いまだにその大半は未発見のままスイスだかどこかに眠っているとか、様々な伝説が残る代物ですね。ゴールドフィンガー氏が引っかかるのも無理はないか。

大戦中の戦闘のどさくさに、その大量のナチ・ゴールドが眠る銀行を分捕ってしまおうとアメリカ軍のハミダシ兵士たちが奮戦するのが、クリント・イーストウッドをはじめとするクセモノ俳優勢揃いの戦争映画「戦略大作戦」(1970年) 戦時中の混乱のさなかなら、こんなことで大儲けした御仁も実際にいたかもしれませんね。銀行に山積みにされた木箱を壊すと転がり出る金塊の輝きは、なんとも美しく、兵士たちの会心の笑い声とあいまって、非常に印象的な場面でした。こんな獲物があれば、お国のための戦争なんて、どうでもよくなっちまうでしょうね、確かに。

ゴールドフィンガーが狙ったフォート・ノックスと並んで、国家保有の金塊が所蔵されているといわれる、マンハッタンのニューヨーク連邦準備銀行の地下金庫を襲撃するのが「ダイ・ハード3」(1995年) 謎の集団によって土木建機と大型ダンプカーで、ガラガラと無造作に盗み出される金塊は、逆にそれゆえその分量のすさまじさを感じさせてくれました。

マンハッタンのあの辺は、私も行ったことがあるんですが、まさかその足の下の地下に、そんな金塊が眠っているとは知りませんでした。掘ってみればよかったかな(笑)

では、日本国の保有する黄金はどこにあるのでしょうか。

東京都の日本橋本石町にある日本銀行本店の地下金庫というのがフィクション世界の定説。ここを襲撃する小説もありましたね(大藪晴彦『日銀ダイヤ作戦』など) 

こちらに書いたように、私はしょっちゅうこの日銀本店前を歩いて通勤しています。確かに、ものものしい建物ですね。いったいどれくらいの財宝がここに眠っているのだろうかなどと考えることも……ま、めったにないですね。

でも本当のところ、金塊の貯蔵場所は国家機密かなんからしく、またリスク分散のため国内の数カ所に分けて保存されているらしいです。そりゃそうか。

ちなみに旧本館にあって2004年まで実際に使用されていた旧・大金庫は、現在は使用されておらず、見学もできるそうです。

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