荒野の三十五人(前編)

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先に「荒野の七人」(1960年)について書きましたが、問題の「七人」が彼らだけではないのは、周知のことと思います。

いちおうおさらいしておくと、最初の「七人」は下記の面々です。

クリス(ユル・ブリンナー)、ヴィン(スティーブ・マックイーン)、チコ(ホルスト・ブッフホルツ)、オライリー(チャールズ・ブロンソン)、ブリット(ジェームズ・コバーン)、ハリー(ブラッド・デクスター)、リー(ロバート・ヴォーン)。うーん何度見ても、凄いメンバーだ。

ご存じのように映画は大ヒット。ヒットすればほっておかないのが映画人の常です。1966年に「続・荒野の七人」が作られました。

前作のラストがああでしたので、「七人」のメンバーはだいぶ入れ替わりになります。そのうえ、前作ヒット後にマックイーンの人気が上昇してしまったために出演はならず、けっきょく前作と同じ配役で登場するのはクリス(ユル・ブリンナー)だけ。この時点でかなりガッカリ度は高まるわけです。

マックイーンにかわってクリスの相棒・ヴィンに扮したのは、テレビの大ヒット作「ララミー牧場」に出ていたロバート・フラー。やはり荷が重かった感は否めませんねえ、前作ではクリス以上の存在感を見せていたヴィンも、今回の印象は非常に薄いです。

メキシコの農民出身のガンマン・チコも俳優交代、ジュリアン・マテオスが演じました。前作のホルスト・ブッフホルツはじつはドイツ人だったので、メキシコ系のマテオスに交代したのは、ある意味で正しいのか。

あとは「続・荒野の七人」からの登板メンバーです。

ざざっと並べると、女好きのコルビー(ウォーレン・オーツ)、過去に傷を持ち死に場所を求めているフランク(クロード・エイキンス)、死刑寸前だった無法者ルイス(ヴィルジリオ・テクセイラ)、身寄りも故郷もないメキシコ人の若者マニュエル(ジョーダン・クリストファー)。

うーん、なんというか、小粒だ。

この後、サム・ペキンパー監督の「ワイルドバンチ」などでブレイクして主演級にのしあがったオーツや、ベテラン脇役として「リオ・ブラボー」や「コマンド戦略」などの男性アクションで重宝されたエイキンスはいるものの、全体に地味な感はぬぐえませんね。彼らと対決する武装集団のボス・ロルカを演じたメキシコ出身の大物俳優エミリオ・フェルナンデスのほうは、前作のイーライ・ウォラックに匹敵する凄みを見せていましたが。

映画自体の仕上がりも、なんかガサツさが前に出た感じで、あの名作にはおよぶべくもありませんでしたが、そのへんは監督さん(前作はジョン・スタージェス、今回はバート・ケネディ)の腕の差もあるんでしょうが、このメンバーの違いも大きいでしょう。

もちろん、この間にウェスタンというジャンルをめぐる環境が大きく変わったことも見逃せません。前作からこの「続・荒野の七人」までの間に、マカロニウェスタンが台頭して、ウェスタンというジャンルの雰囲気がまったく変わったからです(と、今まで私は思っていたんですが、そのへんは微妙なのかな。マカロニウェスタンの嚆矢とされる「荒野の用心棒」が出来たのは1964年で世界中で大ヒットしていますが、アメリカでは1967年まで公開されていません。1966年製作の「続・荒野の七人」がマカロニウェスタンの影響下にあるかどうかは、もうちょっと精査が必要かもしれません)

というわけで、この見るからにショボイ「続・荒野の七人」ですが、そこそこヒットしたんでしょう。この後も次々に「七人」が登場することになるのですが、そのへんは次回につづく。

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