歩け歩け

東日本大震災のとき、電車がストップして帰宅難民となった私は、勤め先のある神田から川崎市北の自宅まで徒歩で帰りました。

靖国通り→内堀通り→青山通り→玉川通りのルートでひたすら歩くこと5時間余。多摩川にたどりついたところで電車の運行が再開されたので助かりましたが、あとで調べてみたら、おおよそ20キロメートル弱を踏破したようです。聞くところによると、人間が歩ける距離は1日20キロほどだとか。限界ギリだったわけですかね。

北海道のローカルバラエティ番組「ブギウギ専務」の名物企画に「ブギウギ奥の細道」というのがあって、毎回楽しく見ています(道外放送あり) 広大な北海道を徒歩で横断するというムチャ企画なわけですが、あれでも1日に歩けるのは20キロ~30キロのようですから、1日20キロは目安としては正解に近いんだといえましょう。

アクション映画などで人間が走るシーンはよく見ますが、では長い距離を歩きとおすのはどうでしょうか?

昨年見て非常に楽しんだ「超高速参勤交代」は、磐城国(福島県)の湯長谷藩から江戸城まで、5日以内に参上せよという無理難題をふっかけられるお話しでしたが、その距離およそ200キロ余。

劇中では「ふつうは8日はかかる」みたいな話があったので、それだと1日25キロちょっとの計算になります。大名行列って、意外に速足なんですな。さすがはサムライ。

そんな道のりですが、湯長谷藩のみなさんは1日40キロ以上を踏破しなくてはいけなかったわけで、そりゃ難儀だったでしょう。「超高速参勤交代」は来年続編が公開されるそうで、楽しみです。

もちろん、そのくらいではまだまだ。世界にはもっと歩く映画があります。

2010年の「ウェイバック」という映画では、旧ソ連時代にシベリアの収容所を脱出した人々が、自由を求めてはるかインドまで歩きとおします。その距離は、じつに6500キロ

しかもシベリアから、モンゴル、中国、チベットへと歩き、最後はヒマラヤを越えてインドへ入るのですから、過酷なんてもんじゃありません。実話をもとにしたというのだから2度ビックリです(ホントに実話かどうかには疑義もあるようですが)

収容所からの追手がいないなど、映画としてはやや盛り上がりに欠ける地味な作品になってしまったのが残念ですが、厳しい大自然と闘うドラマとしての見応えはありました。

さらに上を行く、もっともっと歩く映画が、わが国にもあります。

小松左京の原作を映画化した「復活の日」です。

ウィルスが蔓延して文明社会が崩壊、人類は絶滅の危機に瀕するという世界を描いた超大作……ですよね。

まあ映画の出来ばえは措いておくとして、ここにも空前の長距離を歩きとおす男が登場します。完全に文明が崩壊した無人の世界を、アメリカのワシントンから南極を目指して歩くのです。

ざっくり言って10,000キロ以上でしょうか。

仮に一直線に平地を歩いたとしても、1日20キロで500日以上。南北アメリカ大陸を縦断するわけですから、途中には難所もあり、気候もいい時ばかりでないことを考えれば、その苦難は想像を絶します。

たしか原作では数年がかりでたどりつくとあったはずですが、ホントに可能なんでしょうかね。

ただ、太古の昔、アフリカ大陸で誕生したとされる人類は、その後延々と地球中にひろがってきたわけですが、そのさいに交通機関があったわけではないですよね。

そう、人類はもともと歩く動物なんです。

ということで、メタボ解消のために、今日も10,000歩歩くぞ(わずか4キロほどですが)

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