ウルトラマンを売る
ここ数日、あちこちをにぎわしているのが、中国製ウルトラマンの話題。
ことにウルトラマン好きが多いと推測される私のツイッターでは、非難轟轟のありさまでした。
最初に確認しておきますが、著作権云々の問題は、あくまで当事者同士の問題。株式会社円谷プロダクションと広州藍弧文化伝播有限公司の間の問題なので、その是非はここでは問いません。というか、オレたちにはカンケーないんだよね。
ま、そもそもは中国で広州藍弧文化伝播有限公司(ブルー・アーク)というアニメなどの製作会社が、「鋼鐵飛龍之再見奧特曼」という作品を製作し、そこにウルトラマンを登場させたのがきっかけ。その製作発表が先日行なわれて、そこにライブで「ウルトラマン(奧特曼)」が登場した映像がネットに公開されたことから炎上したわけですね。
元祖「ウルトラマン」でも放送開始前にやった「前夜祭」で、舞台に等身大のウルトラマンが登場したときには、われわれ当時の子供たちはけっこうガッカリしたもんですが。
で、その「ウルトラマン(奧特曼)」の形態が、ちょっとアレだったものだから、日本全国のウルトラマン信者(日本男子ほとんど)が怒ったわけです。
ネットでは「パクリ」という言葉が飛び交い、円谷プロもホームページに「中国におけるウルトラマンキャラクターを利用した無許諾映像作品の製作発表について」という声明を発表し「法的措置を含む断固とした措置をとってまいる所存」だそうです。
ま、ちょっと冷静になろうじゃないですか。
「ウルトラマン」の著作権や販売権にいろいろと事情があるのは、昔から有名な話。円谷プロが海外での販売権をタイのプロデューサーに譲渡してしまっているとかね。
だから今回の話も、単純な「パクリ」とは考えにくいんですよ。中国側のブルー・アークは、ちゃんとした企業みたいだし。
そもそも今回の「鋼鐵飛龍之再見奧特曼」は、もともと2012年に中国で放送されていたテレビのアニメシリーズ「鋼鐵飛龍」(50話もある)の劇場版みたいなものらしく、そこにウルトラマンがゲストキャラ的に登場するものだとか。
「鋼鐵飛龍」は、日本では劇場用に再編集されて2013年に「ドラゴンフォース」として公開されているので、見た人もいるかもしれない。
戦隊ものに仮面ライダーとかがゲスト出演するようなパターンなのか。
だいたい「鋼鐵飛龍之再見奧特曼」はCGアニメ。
ネットで袋叩きにあっていた、着ぐるみすら使用しないで裸にボディペイントのウルトラマンは、あれはたしかに酷いもんだが、イベント用の限定スタイルなんじゃないかな。だとしたら、円谷プロが「断固とした措置」をとるほどのことではない気もするが。
考えてみれば、ウルトラマンをはじめとする「ウルトラ戦士たち」は、テレビのミニ番組、テレビCMをはじめとする多くの広告類、怪獣酒場などのイベントなどで、さんざんパロディ的に露出されている。円谷プロの公認でね。私に言わせれば、あれのほうがよっぽどファンのイメージを損なっていると思うがねぇ。
さらにいえば、わが国でだって、「スパイダーマン」や「キングコング」などを(ライセンスを取得してとはいえ)かなりアレな造形で映像化した例は数多い。「キングコングの逆襲」などの、あの着ぐるみコングが、アメリカのオリジナル「キングコング」マニアたちの目にどのように映ったものだろうか。
映画の歴史をひもとけば、こうしたキャラクターの借用や流用は、そんなにめずらしいことではない。まあそう目くじら立てなさんなって(笑)
それにしても、「ゴジラ」や「ドラゴンボール」、「リング」や「呪怨」といった数々のホラーもの、さらには「オール・ユー・ニード・イズ・キル」や「ゴースト・イン・ザ・シェル」などがハリウッドなどで映像化されると、「海外進出」とか「クールジャパン」だとか大はしゃぎするのに、相手が中国となった今回は「パクリ」の大合唱。
やっぱり日本人にとっての「海外」は、欧米だけなのですかねえ。
