ジャッキー・チェンと勝負する・追撃戦(7)
2001年の「ラッシュアワー2」 前作(1998年)のヒットを受けて製作された続編です。
ハリウッド(に限らないけど)は厳しいところで、ヒットしなくちゃ、絶対に続編なんかは作らせてもらえません。
ということは、この「ラッシュアワー2」の存在が、前作ヒットのゆるがぬ証拠になっているということです。共演の相棒役クリス・タッカーはもちろん、監督のブレット・ラトナーも同じなのをみても、前作がかなりヒットしたことはわかりますね。
で、そんなストレートな続編なのに、見た印象はかなり違います。
いや、ジャッキーとクリスの凸凹コンビが暴れまわるアクション・コメディってところはぶれません。
なのに印象が変わったのは、一にも二にも、前作と本作の間に、ジャッキー・チェンのハリウッドにおける立ち位置が変わったからでしょう。
前作が製作された1998年には、ジャッキーはまだハリウッドでは「新参者」そりゃそうでしょう、これがハリウッド初進出だったんだから。
なので、「ラッシュアワー」でジャッキー・チェン演じるリー警部は、アメリカで起きた事件のために香港から飛んでくる香港警察の警部。
いうまでもなく、アウェイ。
相棒となるクリス・タッカーのカーターが、自分のホームグラウンドのLAで、リー警部にいろいろ迷惑をかけられるのが、ストーリー上の主たるテーマでした。
ところが今回は、いきなり香港の空撮風景からはじまるように、ジャッキーのホーム香港が主舞台。
しかも登場人物には、ジョン・ローン、チャン・ツィイーといったチャイニーズ俳優たちが配されているから、今度は完全なホーム戦であります。
いやいや、この2人は中国系とはいっても香港産じゃないって?
そこは、上司役で登場する、香港映画ファンにはおなじみのケネス・ツァン(曾江)がいるじゃないですか。
名作「男たちの挽歌」のタクシー会社社長役で有名ですね。ジャッキーとは「ポリス・ストーリー3」などでも共演ずみ。ちなみにこのあとには2002年の「007/ダイ・アナザー・デイ」で北朝鮮の将軍さまを演じてますね。
風景も、ジャッキー映画でおなじみ過ぎる香港の街中(ユマティ〔油麻地〕らしい)なので、気分は香港映画。
なので、香港の街中ではよく見る、竹を組んだ高層足場でのアクションなど、ピタッとハマります。前作でわずかに感じたアクションのスケール感不足も、スッキリ解消。
おかしなもので、そうなると後半になって舞台がLAやラスベガスに展開しても、あまり違和感なくはいれるんですから、映画はオープニングの乗りが大事なんですね。
なによりも、ジャッキーが楽しそうに演じているのが、伝わってきます。
わずか3年ほどで、ここまでハリウッドに慣れた、というよりも、ジャッキー自身が自信をつけたんでしょう。もはやそこには「借りてきた猫」っぽいジャッキー・チェンはいませんでした。
もちろん、ヒット作を出したという「実績」が、それを許したのでしょう。
映画そのものは脚本のアラも多く、けっして大成功作とはいえない気もしますが、それを補って有り余る「楽しさ」があり、前作に続いて大ヒットしたのもわかります。
そう、このあとにちゃんと「ラッシュアワー3」があるのがその証拠。そして現在「ラッシュアワー4」も企画中だというからね。
「ラッシュアワー2」は、ジャッキー・チェンがハリウッドでも成功した、その証拠として、長く語り継がれる映画になるでしょう。たぶん。
「ラッシュアワー」はこちら→ジャッキー・チェンと勝負する・追撃戦(5)
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