500円映画劇場「マジェスティック12」
2010年にアメリカでオンデマンド配信された「マジェスティック12」のソフト化。
UFOマニアにとっては普通名詞ともいえる「マジェスティック12」 ことに、私のように1970年代前後に矢追純一スペシャルで育ってきた男の子たちにとっては、もう常識のようなものだ。あ、知りません? 異星人と合衆国政府がひそかに取引しているって話。MJ‐12という略称もよく使われます。ちなみに「12」は「トゥウェルブ」と読みましょう。
もちろん例によって、そんな話と本作はほとんど関係なし。
原題は「UNAWARE」 意味は、知りません。いや「知らないで」って意味なんです。主人公たちがそれとは知らずに、途方もない秘密に触れてしまったとか、そんなことを言いたいんだと思います。
さてこの作品、田舎の祖父母を訪ねた若いカップルが、そこで遭遇する怪事件を、彼らが持っていたビデオカメラに残された映像を再構成したというもの。
はい、おわかりですね、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」や「パラノーマル・アクティヴィティ」で使われたあの手法、POVというやつですね。
前にも書いた(500円映画劇場「エイリアン オリジン」)ように、私はこのPOVという手法、嫌いです。ハマれば異様な迫力を醸し出すことができるんでしょうが、たいがいの場合失敗して、単に苛立たしい見づらい映像が続くばかりになるからです。
この作品も、結局はそうなってます。しかも、何か事件が起きるまでは、ひたすら退屈だし。
まあそうした手法を取りたくなる気持ちはわからないでもないです。この手法、製作費を安くおさえられるからです。
本作でも、登場人物は、主人公のカップル2人だけ。ほかに、セリフのある役では、途中にちょっとだけ出てくるFBIの男がいるだけなので、出演料の総額はかなり格安でしょう。
なにしろ「これは実際に発見された映像です」というノリの作品なので、俳優のクレジットもなしという格安ぶり。知らないけど、たぶん無名の俳優か何かなんでしょう(ついでにいえば、主役のこのカップル、容姿はひどく平凡で、ことに女優は以下略)
ただし、この映画の欠点は、じつはそんなことではないのですよ。
もうネタバレしても、全然かまわないと思うんで書いちゃいますが、これからこの「マジェスティック12」なる映画を見ようという方は、念のためにこのあとは読まないでね。もっとも、読んでネタバレしても、大したダメージはないでしょうが。
【以下ネタバレあり】
はい、この映画のネタは、すべて、かの有名なあの事件に依っているのです。
そう、1947年7月8日にニューメキシコ州にUFOが墜落し、乗っていた宇宙人の死体やUFOの残骸を軍が回収し、秘密裏にどこかに隠しているというもの。
これまた、矢追世代にはジョーシキ。
通称「ロズウェル事件」
そのロズウェル事件の遺物が、主人公の祖父の家の納屋に隠匿されていたのが、事件の真相。めずらしくもなんともない設定すぎます。
いわば手垢にまみれた題材だけに、せめてもうひとひねりくらいできなかったんでしょうか。
なので、なぜ一介の市民であるはずの主人公の祖父の家に隠されているかとか、FBI(というか完全に黒服の男=メン・イン・ブラック)はこのことを知っているのかいないのかとか、最後に襲ってくる異星人はあの死体とどう関係があるのかとか、そうした説明不足も大して気にならないんですが。
そもそもPOVの基本であるはずの「この映像がどこでどう入手されたものか」をまったく描いていないのだから、やはりダメダメといわざるを得ないでしょう。
こんな作品が、なんと6つもの映画賞を得ている(とDVDジャケットにはあります)というのだから、呆れますね。これらの賞の審査員は全員坊主にでもなってください(笑)
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