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令和3年・初場所雑記

いやもう場所前にはどうなることかと心配しましたが、なんとか初場所は終了しました。

横綱・白鵬をはじめ、4部屋の力士などに感染者が出て、該当の部屋は全力士が休場。そのせいで休場者は空前の65人にもおよび、十両以上の関取だけでも15人。とくに十両は、たまたまですが十両力士が多く所属していた九重部屋で感染が出たこともあって、東西14枚28力士のうち9人が休場。おかげで通常は14番ほど組まれるはずの取組がわずか9番前後に減少し、NHKの中継での取組結果表示は通常の2画面から1画面に、十両土俵入りも土俵を囲む力士がパラパラでなんか寂しい光景でした。

さらなる感染者が出れば場所打ち切りかというスリリングな状態でしたが、なんとか千秋楽まで打ち上げられたのは何よりでした。関係各位の尽力には感謝しかありませんね

また、運悪く感染してしまった皆さんにはお見舞いを申し上げます。春場所には元気で出場してください。

とはいえ、全体の番数が減ったせいで、NHK-BSの大相撲中継が、いつもは幕下の途中から開始なのに、今場所は三段目の相撲からで、これは思わぬ収穫でした。千秋楽などはもともと番数が少ないせいもあって、序二段の相撲までが全国中継されたんですからね。

ネット配信のAbemaTVとの兼ね合いもあるんでしょうが、NHKも中継開始時間を早めたらいかがでしょうか。

さて、土俵上ですが……

ここのところの相撲界は、まさに群雄割拠。優勝争いの行方が見通せない、そんな場所が続いています。

ただ今場所に関していえば、それほどの混戦感はありませんでしたね(個人の感想です)

というのも、初日から役力士を連破した西前頭筆頭の大栄翔が、無傷の8連勝で勝ち越し、けっきょく最後まで一度も優勝争いのトップを譲ることなく賜杯を掴んだからです。

ちょっとここのところ記憶にないほどの独走優勝。中日に勝ち越した時点でが1敗の力士もおらず、後続に2差をつけていて、なんでも平幕が中日に2差をつけるのは史上初(だとNHKで言ってました) その後9日目に宝富士、11日目に阿武咲に2敗を喫していったんは大関・正代に並ばれたものの、まったく崩れず、最後は根負けした(?)正代のほうが崩れてしまいました。

追いすがる連中が勝手に負けていった気もしますが、大栄翔の相撲に安定感が強く、そう簡単には負けないだろうと思わされました。

だからここ数場所のように、優勝ラインがどこまで下がるだろうか、ひょっとしたら11勝以下になるかも的な心配はあまりしませんでした。優勝決定が千秋楽まで持ち越されたとはいえ「こりゃ今場所は大栄翔だな」とずっと思っていたような次第です。

場所前に焦点だった大関・貴景勝の綱盗りが早々に消散し、ともすれば見せ場のない場所になりかねないところを救った大栄翔には素直に賛辞を送りましょう。

それにくらべると、いずれも11勝で準優勝に甘んじた正代朝乃山の両大関と関脇・照ノ富士には、やや「帳尻は合わせたけど」的な感想を抱きました。まあどう言っても、平幕に優勝をさらわれた時点で役力士としては不充分と言わざるを得ないですからね。

ただし、照ノ富士にとっては重要な11勝で、これで先場所の13勝(優勝同点)とあわせて24勝で、来場所は大関盗りの場所となります。

昨年秋場所からの3場所合計が32勝なんで、もうこの時点で大関昇進でもいいような気もしますが、やはり終盤に休場して8勝どまりだった秋場所の成績が引っかかったんでしょうか。いいじゃんそんなの

ついでにいえば、大栄翔も先場所は10勝しているので、2場所合計で23勝。来場所10勝でもすれば、いざ大関昇進かという成績ですが、来場所での大関盗りはあまり話題になってないですね。

今場所の番付が平幕だったのが引っかかるんでしょうが、先場所は前頭2枚目で10番勝ったのに今場所は筆頭どまり(それも西)という番付運のなさがあったのだから、いいんじゃないでしょうかね。

まあそのへんは来場所の成績次第ということでしょうか。貴景勝の綱取りにかわって、来場所はこの両者の大関盗りが場所の焦点になるでしょう。ああ、万年大関候補の御嶽海は、また置いてかれるのか(奮起せよ

大栄翔のあまりの強さと安定感で実感しにくかったのですが、じつは今場所も平幕優勝

昨年初場所も徳勝龍の平幕優勝だったから、これで初場所は2年連続で平幕優勝。それも含めて6場所で3回の平幕優勝(もうひとつは7月場所の照ノ富士) これはやはり、ちょっとした異常事態でしょうね。

そしてこれで4年連続で平幕優勝が誕生していますが、これは大相撲史上初の椿事。

さらに言うなら、一昨年、昨年とあわせた最近12場所で、優勝者は10人におよびます(白鵬だけが3回優勝)

土俵の覇者が交替する時期に土俵の安定が失われ、戦国時代の様相を呈するのは、大相撲史上にしばしばあることですが、ここまで混戦が続くのは史上空前といっていいでしょう。

それもこれも、白鵬の後を襲う時代の覇者がいっこうに定まらないせいです。綱取りをめざした貴景勝が後退したことで、まだしばらくはこの状態が続くと思われます。

出でよ、時代の覇者ってことでしょうが、まぁ空前の戦国時代をいましばらく楽しむのも悪くはありませんね。

そんな初場所でしたが、土俵上の相撲内容は、非常に面白かったです。一方的で薄味の相撲は少なく、攻防のある大相撲土俵際でもつれる熱戦が多かった気がします(そういえば物言いがつく相撲が多かったですね)水入りになりそうな長い相撲も多かったし。 またちょっと珍しい決まり手も多く見られました。当代随一のワザ師・炎鵬が全休だったにもかかわらず。

まあ、コロナ禍のせいで稽古不足なのは否めないし、それも全員がそうなのだから、もつれる原因は双方の決定力不足だったのかもしれませんが。でもそこは、1年最初の本場所、全員の気合いが入っていたということで。

横綱が休もうが、注目力士がコケようが、取組数が減少しようが、相撲内容さえよければ、見ている側にはそう大きな不満は残らないものです。

来場所も頑張ってくださいね。

さて千秋楽の土俵で注目だったのは、じつに9人が6勝1敗で並んだ幕下の優勝決定戦。トーナメントで8番もの番数を要する決定戦は、ちょっと記憶にありません。

そしてこんな時にまた、序二段、序ノ口でも決定戦にもつれこみ、序ノ口は巴戦で計3番というサービス満点な展開。幕下の大トーナメントとあわせて合計13番は、この日の十両取り組みよりも番数が多かったわけです。

ここ数年、幕下以下では相星の者同士を組ませるという勝ち抜き戦形式で取組編成が行なわれるので、優勝決定戦は少なかったんですが、こういう展開もまた楽しいものですね。

さて、春場所はいまのところ大阪での開催を予定しているようですが、緊急事態宣言の行方など感染状況次第でどうなるかはわかりません。

なによりも、コロナ禍が収束し、無事に春場所が開催されることを祈りましょう

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