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史上最強の相撲雑誌

今年夏場所前の、4月末のこと。

いつものように相撲雑誌を買おうと、発売日に近所の書店さんのスポーツ誌コーナーに行きました。

えっ?

相撲雑誌が3誌ある?

ファンの方はご存じのとおり、これまで大相撲をあつかう専門誌は、ベースボールマガジン社の「相撲」と、アプリスタイル社が発行している「NHK G-Media 大相撲ジャーナル」の2誌だったはず。

しかも、何度か見直すまで、どこがどう変わったのかわかりません。ど、どれが増えたんだろう? まるで「11人いる!」だ。

「相撲」はいままでどおりだなとすぐに納得いきましたが、「NHK G-Media大相撲ジャーナル」は、なんか微妙に変化している。いやよく見ると、「NHK G-Media 大相撲中継」という雑誌と「スポーツ報知 大相撲ジャーナル」という雑誌が並んでいます。

ええと、つまり「NHK G-Media 大相撲ジャーナル」が分裂したのか?

まあ、真相はそういうことでした。

従来の「NHK G-Media 大相撲ジャーナル」が終了して、同誌を製作していたNHKグローバルメディアサービスが新たに毎日新聞社と提携して「NHK G-Media 大相撲中継」を創刊、残されたアプリスタイル社も報知新聞社と提携して負けじと「スポーツ報知 大相撲ジャーナル」を創刊したと、そういうわけだったんですね。なるほど。

私が大相撲を見はじめた、いまから40年以上前の1970年代初めには、大相撲専門誌は2誌だけでした。

いまでもある「相撲」と、読売新聞社発行の「大相撲」です。私は最初に手にしたのがたまたま「相撲」だったので、それ以来ずっと買い続けてきました。

「相撲」は、1949年に「ベースボール・マガジン編集・相撲号」としてスタートし、その後しばらくは「相撲号」、1952年から「相撲」となった専門誌の嚆矢。

一方の雄である「大相撲」は、1954年に月刊「読売スポーツ」の臨時増刊として創刊し、1956年ごろから「大相撲」のタイトルで刊行されていました。

いずれもその時点で、すでに20年近く続いていた老舗だったわけです。

ほどなくして、NHKサービスセンターが、1975年から「NHK大相撲中継」で参入。当初は「グラフNHK」の別冊版としてスタートし、のちには情報誌「NHKウィークリーステラ」の別冊版となりました。

そのほかにも大相撲人気が上向くたびに、古くは「太陽」とか「ナンバー」とかが「大相撲特集号」を出したりしていましたが、なぜか継続刊行されることはなかったですね。

この3誌体制がずっと続いていたのですが、そこに影を落としたのが野球賭博問題(2010年)と八百長問題(2011年)

力士らの処分や本場所の中止までがおこなわれたこの不祥事の影響もあってか、大相撲人気は一気に低落。

そのため、まずは「大相撲」が2010年9月号をもって休刊に追い込まれます。

ただ同誌はそれ以前から部数低落の傾向があったようで、2009年5月号から、すでに隔月刊に移行していました。誌面刷新なども効果がなかったようで、「来るべきものがついに来たか」といった感覚でしたね。

「大相撲中継」のほうが、公共放送NHKがバックだっただけに不祥事には敏感で、より強く影響を受けたと言えましょう。

2010年6月に発売予定だった号は、野球賭博事件に連座した力士の記事があったために急きょ休刊。その後に合併号として刊行しなおしたものの、翌2011年春の八百長問題で春場所が中止になると、足並みを合わせるかのように休刊し、すぐに廃刊へと追い込まれてしまいました。

これで大相撲専門誌は「相撲」のみとなってしまったのであります。専門誌が1誌だけになったのは、「大相撲」が創刊された1954年以来、じつに57年ぶりの事態でした。

その後、相撲人気が復活したのにあわせて、2013年6月から「大相撲中継」が「NHK G-Media 大相撲ジャーナル」と誌名を改めて復活。

さらに今回、その「大相撲ジャーナル」が2誌に「分裂」したことにより、7年ぶりに大相撲専門誌3誌体制が復活したことになるのです。

いってみれば、相撲人気のバロメーターなんですね。

で、あらためて3誌を見直してみると、「大相撲ジャーナル」は報知新聞社との提携、すなわちかつて「大相撲」を刊行してきた読売新聞系列であり(実際、同誌の編集長は元「大相撲」の記者)、一方の「大相撲中継」は大相撲の優勝制度開始以来のスポンサーである毎日新聞社との提携。不遇時代もこらえて専門誌を続けてきたベースボールマガジン社とあわせて、大相撲と関係の深い3社の刊行で、落ち着くべきところに落ち着いた感がありますね。

このまま相撲人気が続き、安定した専門誌体制が続くといいですね。買うほうはしんどいけど(笑)

余談ですが、かつてベースボールマガジン社が「Van Van相撲界」なるティーン向けの月刊誌を刊行していたこともあります。1980年から1998年10月号まで続いていたようで、私はちゃんと買ったことはないんですが、グラビアなどを中心にしたかなり「やわらかい」内容だったとか。

女性ファンも増えたいま、この線を狙うのもおススメかもしれないですね。どこかの出版社で、いかがですか?

  大相撲/丸いジャングル 目次

スポーツ雑記帳 目次

【2024/11/2】 今日買ってきた相撲専門3誌のうち、「大相撲ジャーナル」が最終号。いろいろあっての休刊だろうが、大相撲人気云々よりも、雑誌というメディアそのものの落日を感じる。しばらく続いてきた3誌体制が終了したわけだが、もっとも困ったのは、「大相撲ジャーナル」付録の手作り星取表がなくなること。毎場所これを作って楽しんでたんだがなぁ(「大相撲中継」にもついてるけど、デザインが使いにくいのよ)

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