北の幻想
いま、凄く気になっているプロレスラーがいる。
そいつは、この夏、突如として北海道に出現したという。
出現地は、北海道の根釧地方でひっそりとファイトしている新根室プロレス。
知らないだろ? 私もつい最近までその存在すら知らなかった。
そこに、そいつが現われたのだ。
感度の良いプロレスマニアならば、もうこのへんでおわかりだろう。
今年、2017年の7月に、ハルク豊満(これも相当なネタだ)とのシングルマッチでデビューした新人、その名もアンドレザ・ジャイアントパンダ(ナカグロ位置注意)が、そいつだ。
たった1試合、それも北海道の片隅(失敬)のアマチュアプロレス団体で試合をしただけのアンドレザ選手がなぜ脚光を浴びたかというと、その試合の模様がネット上に流れたからだ。このへんは時代っぽい(笑)
試合の動画はネットを検索すればすぐに見つかるので、ぜひとも実際に見ていただきたい(新根室プロレス自体には別種の興味もある。そのモットーが「無理しない、ケガしない、明日も仕事」いいねえ)
何がスゴイかって? なんといっても、そのファイトぶりだ。
見た目はおっとりしている、というか温和そのもので、むしろ愛嬌があるたたずまいだが、いざ試合となるとその凶暴性はけっこうなもの。基本的にはブルファイターだろう。
そして見逃せないのはその巨体だ。
身長体重などのプロフィールは公表されていないが、見たところ身長は間違いなく3メートルはある。
身長の高い巨人プロレスラーといえば、ジャイアント馬場(2メートル9センチ)やアンドレ・ザ・ジャイアント(2メートル23センチ)がポピュラー。
記録の残る歴代長身プロレスラーではエル・ヒガンテ(2メートル31センチ)、ジャイアント・シルバ(2メートル30センチ)あたりが最大だろう。
現役ではWWEのビッグ・ショー(2メートル13センチ)、PRIDEやハッスルに出たジャイアント・シルバ(2メートル19センチ)がいる。国内で現役の最長身プロレスラーは、高山義廣、石川修司 、河野真幸あたりでいずれも190センチ台。
これらをはるかに凌駕するアンドレザ選手は、間違いなくプロレス史上最長身レスラーとして、ギネスブックに登録されるべき存在なのだ。
ちなみに人類最長身の記録は、アメリカのイリノイ州出身で「イリノイの巨人」といわれたロバート・ワドロー(1918~1940)で2メートル72センチ。
アンドレザ選手の身長はこれをもしのぐが、彼が人類かどうかは微妙だ。
さてそのアンドレザ選手だが、その噂を聞きつけた大日本プロレスがブッキングに成功し、10月4日の釧路大会で、これも突然現われた「バカチン艦」スタン小林と対戦させた。
この模様がネットに流れ、週刊プロレスのグラビアに掲載され、サムライTVのバトルニュースで放送され(別冊のほうだったけど)、さらには東京スポーツ紙の元井美貴のコラムで紹介されるなど、一気にプロレスマスコミを席巻しているのだ。
勢いに乗った大日本プロレスは、ついにアンドレザ選手の東京招聘に動き、11月17日の上野公園大会で、スタン小林との再戦が実現する運びとなった。
さあ、注目のこの大戦を見逃す手はないぞ。
というところで我にかえってみた(笑)
プロレスはもともとファンタジイ要素が多い芸術的スポーツだ。
そのファンタジイは、プロレスの最大の魅力の一つであると同時に、両刃の剣である。
アンドレザ選手も、そのへんをわかっていない人が見れば「なんだ★ぐる★じゃないか」となるだろう。
そうした存在を、そんな人がいちばん多そうな東京にもってくるのが、はたして得策なのかどうか?
このまんま「根室に行かなきゃ見られない」存在でいるほうがいいような気がしないでもないが、いかがだろう。
幻想であるべきか、あらざるべきか。
アンドレザ・ジャイアントパンダ問題は、じつはプロレスの根幹にかかわるような難問なのである。
そんなに考え込むような問題でもないか(笑)
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【追記 2017/11/21】 けっきょく見には行きませんでした。メインの「ポセイドン」にびびったせいです(笑) サムライTVなどで見ましたが、メインに関しては行かなくて正解だったかも(当日はえらく寒かったのだよ) アンドレザ選手は、どうやら好評だったようで、幻想にとどまる必要はなくなった気がしますね。今度は暖かくなってから、ぜひとも参戦してください。
