外人レスラーの夢
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もうプロレスを見始めて40年以上になるんだなと、突然気づいた。
見始めのころは、まだ日本プロレスにBI砲がエースとして君臨していて、国際プロレスとの2団体時代。女子プロレスは視野の外だった。小学生でしたから。
それから幾星霜(笑) プロレスそのものもずいぶん様変わりしたが、たぶんいちばん大きく変わったのは「外人レスラー」の存在感だろう。
力道山の昔(私は知らんが)から、プロレスの基本デザインは「日本人レスラー」対「外人レスラー」で、外人レスラーというものはプロレスに欠くべからざる存在だった。外国といってもほとんどはアメリカなのだが、そこから「太平洋を渡ってくる」、デカくて、凄くて、よくわからない外人レスラーこそが「プロレス」そのものだった。特に、なかなか来日が実現しない外人レスラーは「未知の強豪」などと言われて、初来日を心待ちにしたものだ。
1980年代くらいまでは、こうした図式はなんとなく残っていたが、日本人抗争が主流となり、同時期に外人レスラーの最大供給地であったアメリカがWWF(いまのWWE)の侵略で様変わりして大物レスラーの日本参戦が急速に難しくなったこともあって、この図式は滅亡した。
その後も、もちろん外国籍のレスラーは日本のプロレス界に存在するが、彼らは「太平洋を渡ってくる大物」ではなく、日本のプロレスでキャリアを積み、スキルを磨き、うまくいけばアメリカ(もっと言えばWWE)のリングに上がろうとする若者たちがほとんどになっている。
昔は、「無期限の海外遠征」「海外武者修行」のために日本人の若手レスラーが「出世の登竜門」としてアメリカやメキシコ、カナダに行っていたのだが、それとちょうど逆になってるんじゃないか。
こうして日本のプロレスから「外人レスラー」や「未知の強豪」みたいな存在が消えるとともに、もうひとつ消えたモノがある。
それは、外人レスラーに冠せられる「キャッチフレーズ」だ。今思い出してみても、なかなか夢があるというか、適当というか、ゴロあわせというか、ダジャレというか、傑作なものが多かった。いろいろな意味で。
「鉄の爪」「呪術師」「テキサスの荒馬」「人間発電所」「インドの狂虎」「魔術師」「超獣」「悪魔仮面」「荒法師」「狂乱の貴公子」「放浪鬼」「暴走戦士」「魔豹」「人間絞首台」「大巨人」「流血大王」「帝王」等々……懐かしいでしょ。そう思った人はもうオジサンオバサン以上の世代。なかには現代ではNGな言葉を使ったモノも多かったですね。
中でも私が好きだったのは「獣戦車」とか「ブレーキの壊れたダンプカー」あたりかな。誰のことか、わかりますか?
もちろん今でもこうしたフレーズを冠することはあるが、いかんせん一般に浸透するほどまでは定着していない。「鉄の爪」なんて、ほとんど普通名詞化していたものだ。プロレスそのもののパワーが落ちたせいもあるだろうが。
で、いまを去ること40年近く前、私たちが学生プロレスを始めたころ、当然のように各レスラー(もどき)に、こうしたフレーズを冠しました。
所属学科の専攻科目を活かした「狂った心理学者」(心理学科)「動く自然堤防」(地理学科)とか、ホンモノをもじった「発汗大王」「荒馬鹿」とか……なかでも最高傑作は「毎度おなじみ」(笑)
本人がカッコいいのを名乗ろうとしても、まわりがそれを許さないのが常で、基本お笑い系に堕すことになるのは、たぶん今でも学生プロレスの常道だろうね。
ちなみに私はなぜか「燃える宮さま」になっていたが、本人がまったく関知しないところで決まったので、責任は取れません(笑)
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