あれから10年
いまから10年前の2004年9月27日、私にとってのプロ野球は終わった。その日、近鉄バファローズが最後の公式戦を終えたのだ。それまで30年以上近鉄バファローズを応援してきた私とプロ野球の間には、その時から埋められない溝ができたと思っている。
もう10年もたったので、ご記憶でない方も多いだろうし、その後にプロ野球を見るようになった方々もいらっしゃることと思う。そうした人がよく間違っていうのが、「東北楽天ゴールデンイーグルスは、近鉄バファローズの後継球団」だというやつ。去年、楽天が日本シリーズを制したときにも、これで近鉄以来の悲願が云々という言葉をしばしば目にした。これ、完全な誤解。
あの2014年の騒動、球界再編とかいわれてる動きの中で、近鉄バファローズは、オリックス・ブルーウェイブと合併(事実上は吸収合併)して、消滅したんです。したがって、楽天は近鉄バファローズの球団記録を引き継いではいません。
それにしても、あの騒動は、何だったんだろう。
オリックスと近鉄が合併を発表→5球団ではリーグ運営ができないといって、パ・リーグがもう一組の合併をして1リーグ制(10球団)を打ち出す→ファン、そして選手から猛反発→オーナー連中、耳貸さず→選手会スト決行→世論の圧力に負けて新球団参入での2リーグ制維持へ→めでたしめでたし(?)。
この騒動の中で忘れられたようになっているが、近鉄バファローズは、この時、消されたのだ。これだけは、許せない事実だ。
たとえば、近鉄本社がバファローズ球団をどこかに(楽天でもよかった)売却すれば、球団の歴史は継続され、私たちバファローズ・ファンも、仮に名前が変わっても継承球団を応援できたかもしれない。それを、よりにもよって最大のライバルだったオリックス(旧・阪急ブレーブス)との合併、しかも事実上の吸収合併では、いくらその合併球団が「バファローズ」の名を冠していても、応援する気にはなれない。そんなこと、ちょっと考えればわかりそうなものだが……
そもそも、なぜ近鉄本社は球団譲渡でなく合併などという愚行に走ったのか。球団譲渡がマスコミで報じられる際に使われる「身売り」というイメージを嫌ったとしか思えない。日本有数の私鉄会社のメンツにかかわるとでも思ったのだろう。
そうした一企業の都合で、われわれファンは応援するチームを失った。
あの騒動以後、プロ野球は少しだけ変わって、交流戦やクライマックスシリーズなどで、今も潰れずにすんではいる。
だが、すくなくとも私は、われらがバファローズを消したプロ野球と、近畿日本鉄道を許すことはできない。もう二度と、かつてのように熱心にプロ野球を見ることもないだろう。あれほど好きだった「近鉄」の名称も、今では見るのも嫌になっている。
そして10年がたった。
あれから、日本プロ野球は、よくなったのか? これから発展するのか、衰退するのか? プロ野球を取り巻く環境は、厳しくなる一方だが、はたしてプロ野球自体は、何らかの手を打てるのか、いや打とうとしているのか?
もしも、もう一度あんなことが起きたら、プロ野球は死ぬ。二度とバファローズの悲劇は見たくない。
この10年間、プロ野球がそのことを学んでいることを祈る。
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