政見放送をお送りします
選挙マニアの私だが、選挙関連で、最近どうも気に入らないモノがひとつある。
テレビの政見放送だ。
いやもちろん、それが必要であることは百も承知しているし(何しろ選挙マニアだからね)、その重要性も認識しているつもりだ。
それでも、気に入らない。
なぜか?
つまらないからだ。
いやいや、泡沫候補の支離滅裂な政策表明や、宗教関係政党のウサン臭いプロモや、見るからに話すの苦手そうな候補の噛みまくり演説とか、見どころがないわけじゃない。
でもそれらは、政見放送の本質ではないはず。
そもそも政見放送とは何かといえば、公職選挙法によれば、こうだ(抜粋)
公職選挙法に基づき国会議員および都道府県知事を選ぶ選挙において、政令で定めるところにより、選挙運動の期間中に日本放送協会(NHK)および基幹放送事業者(注・民放のこと)のラジオ・テレビの放送設備により、公益のため、その政見を無料で放送することができる(法第150条第1項前段・第3項前段)
NHKおよび基幹放送事業者はその政見をそのまま放送しなければならない(法第150条第1項後段・第3項後段)
選挙運動に放送設備を使用することは政見放送や経歴放送など法で認められた場合に限られる(法第151条の5)
ざっとこんな感じ。要するに、決められた時間や期間ならば、タダで、基本的には自由に、放送してくれるってわけだね。
意外にもその起源はけっこう古く、ラジオでは戦後初の総選挙となった1946年4月の第22回総選挙から。テレビでの放送は1969年に「政見放送及び経歴放送実施規程」が施行されて実現した。
そして私見によれば、それ以来50年近くたつのに、テレビの政見放送は、当時とほとんど同じフォーマットで、毎度毎度ダラダラつづけられている。
いやべつに高度にショーアップしろとか、面白おかしく作れとか言いたいんじゃないです。それはそもそもの役割とは違いますからね。
問題は、それが必要とされているにもかかわらず、じつに「見にくい」ことにあるんですよ。
かつて政見放送は(とくにNHKでは)ゴールデンタイムにも放送されていました。今のように早朝と深夜、番組のはざまに細々と流されているのとは大違いです。昔は、いやでも目にする機会が多かったわけです。
ああ、もちろん、それはそれで当然です。NHKが大河ドラマ「真田丸」を1回お休みして政見放送を流したら、それこそ総スカンでしょうからね。
ただ、見る必要を感じながらも、いざ見ようと思ったら、早朝や深夜にテレビの前で、わざわざチャンネルをあわせなければならないというのは、現代の生活ではかなりのストレスでしょう?
ネット社会に慣れた人々のあいだでは、普通の放送でも、タイムシフトのない現在のテレビからのテレビ離れが進んでいるというのに。
ではどうするか?
私はとっくにその解決策を用意してあります。
現在のデジタル放送では、各局ともサブチャンネルがあるじゃありませんか。
なんでも、視聴率がバラけて結果的に数字が悪くなるので、サブチャンネルの活用にテレビ局は積極的でないとか。関東地方の地上波では東京MXテレビくらいですかね、常時サブチャンネル放送をしているのは。
ここを使えばいいんです。
各局とも本放送と並行して、サブチャンネルで政見放送を流すんです。それもケチケチしないで24時間ぶっ通し、リピートで。
どうです? オンデマンド同然とはいかないまでも、これなら暇な時、手が空いた時、見たい番組がない時に、ちょっとずつでもツマミ食いできるじゃないですか。
政見放送を流すテレビ局は各候補に不公平がないように流す必要がありますが、見る側にはそんな制限はありません。全部を通して公平に見る(見せられる)必要はなし。誰のでも、どこの党のでも、見たい人が好きな時に見て、その政策の是非を判断して投票に役立てればいいんです。
そんなに難しいことじゃないでしょう。
出口調査とか世論調査なんてツマランことにシノギを削るんじゃなくて、こういうところに力を注いでくださいよね、まったく。
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【追記 2017/10/13】 今回の総選挙でも、やっぱり政見放送は旧態依然ですね。50年たって、テレビの技術は飛躍的に進歩しているのに、なんでこんな地味な放送がダラダラと続いているんでしょうか。困ったもんです。
【2019/7/12】 記事を書いてから3年。今回の参院選でも状況は変わらず。関係者だけでなく、有権者も誰も疑問に思わないんですかね。それと思いついたんですが、過去の選挙の政見放送、とくに比例区などの政党の政見放送を再放送するってのはどうでしょうか? ちゃんと公約実施しているかどうか、その後に君子豹変してないか、言いわけの余地のない「証拠」として検証できると思いますがね。
