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令和元年・名古屋場所雑記

場所前の段階で、先場所新大関場所を途中休場した貴景勝が全休を発表したときには、まあ若いんだから無理するな、それよりも稀勢の里の教訓をよく活かしたと、むしろ褒める感じだったんですがねぇ。それが、栃ノ心豪栄道、そして高安と、連鎖的に途中休場が続き、ついには4人いたはずの大関が壊滅という事態になると、話はまた別です。

まぎれもない負傷での休場なのは見ていてわかりましたから、やむを得ない状況も理解はできます。貴景勝の場合と同じく、無理をしなかったことは評価できます。だから、今場所はたまたま大関陣の星のめぐりが悪かっただけなんでしょう。その部分を責める気はありません。

ですが、横綱・大関6人のうち4人までが休場とは、やはり見過ごせません。これは、お金を払って見にきてくれる観客に対する裏切りではないでしょうか。

横綱・大関を指して「看板力士」という呼び方をします。それくらい、彼らの相撲や存在には価値があるからです。その「看板」が見られないのは、興行としていかがなものでしょうか?

その責任を負うべきは、もちろん力士ではなく相撲協会そのものでしょう。

そこで提案。看板力士が多く休場した場合、入場料金を割り引くのはいかがでしょうか。発売する当日券を、2割引きとかにするのです。看板力士休場のお詫びとして。

ただ、現在は入場券のほとんどは前売りで、すでに売れていますね。これを払い戻すのは、手続き上むずかしいのでしょうか。

でもそこは決断してほしいですね。たとえば、入場券の払い戻しやリセールに応じればいいのです。これならば、不可能ではないでしょう。いかがですか、相撲協会さん?

と提案しておいてなんですが、4大関が休場しながらも、今場所はなかなか見ごたえのある場所でした。

なんとか土俵を引き締めた両横綱は、評価されるべきでしょう。千秋楽の直接対決は、内容のある熱戦でしたし。

ただこの一番、鶴竜白鵬を見ていてふと思ったのは、ああこの両横綱を中心とした土俵は、もう長くはないだろうなということ。

終盤戦まで、ともに全勝で来た両横綱。私などは、千秋楽結びでの全勝対決を期待したのですが、終盤にバタバタと星を落としました。ちょっとガッカリ。

しかも、星を落とした相手がいずれも平幕力士(逸ノ城、友風、琴奨菊) 場所前には対戦を予想していなかった相手が、大関休場の余波で急遽対戦相手になったからとも言えますが、それでも撥ね返してこその横綱。いや、全盛期の白鵬や鶴竜ならば、この展開で星を落とすことなど考えられなかったはず。

年齢的なことは言いたくありませんが、さすがにそろそろ落陽の時期を迎えているのかも、なんて思ってしまいました。

という状況になったところで、ではその後を襲う、時代のヒーローはというと、こちらはいまひとつ伸び悩み中。

出世争いで抜け出した貴景勝は怪我で大関の地位を棒に振り、ずっと同世代のトップを走る御嶽海はまたしても二桁勝利ならずで大関獲りの足がかりをつかめず、先場所の優勝で一気に期待を高めた朝乃山も上位の壁に当たって負け越し。どうも、もうひとつ突き抜けてくる若手が現われません。

ただこれは、いい若手が大挙して上がってきている証拠でもあります。

今場所の御嶽海が喫したは6敗。そのうち、3つが同じ若手相手のもの(北勝富士、阿炎、大栄翔) 朝乃山の8敗中、同じ出世争いのライバル相手に喫した黒星は、御嶽海、玉鷲、阿炎、大栄翔と半分を占めています。

要するに、上位に進出してきた若手たちの星が伸びないのは、同じ若手同士での潰し合いが激しいからなんです。これでは、なかなか抜け出せないのも無理はない。

だから、そんな状態、高いレベルでの「ドングリの背比べ」なので、見ていて相撲内容は、おもしろいのです。実際、今場所の相撲内容は、たいへん見応えがありました。まあ、もうしばらくは、熾烈な天下取り争いが続くでしょうから、楽しめそうです。

そんななかで、ぐっと推しておきたいのが、鶴竜の全勝に土をつけて殊勲賞を受賞した、友風

初土俵以来、いまだに負け越し知らず(初土俵は平成29年夏場所。序ノ口から13場所目)の有望株。

そして重要(?)なのは、友風がわが川崎市出身だということ(川崎区) 神奈川県出身で出世した力士が少ないことは以前に書きましたが、それ以上にわが地元である川崎市の出身力士はレアな存在でした。幕内力士は、ひょっとしたら今を時めく貴景勝の師匠・千賀の浦親方の隆三杉以来?

川崎市には、県下唯一の相撲部屋である中川部屋がありますが、残念ながら関取は不在。

そこにスーッと出現したのが、友風なのです。

新入幕の夏場所前の5月3日、友風はサッカーJリーグの川崎フロンターレの試合で、堂々と始球式を行なっています。

これから、フロンターレ同様に、川崎市民の人気を集める存在になってもらいたいですね。頑張れ、川崎の星!

名古屋場所が終わると、次なる秋場所までのあいだは、もっとも本場所の間隔が長く、夏休みになります。もちろん力士のみなさんは、長い長い夏巡業というお仕事がありますが、これこそが貴重なる鍛錬の場。過去にもこの巡業の成果で上位に駆け登る若手が多く出ているのです。

秋場所、そんな誰かが一気に抜け出し、新時代の幕を開くことを期待しましょう。もうずいぶん長い間、待たされてるからね

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