トーナメントは悲喜こもごも

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夏の高校野球が始まっています。

いまは甲子園大会出場を目指す都道府県大会がたけなわなのですが、残念ながらわが家はもうひとつ盛り上がっていません。

わが母校は西東京大会で、今年入学した息子の高校は神奈川大会で、いずれも初戦コールド負け。これではヒートしようもないですね。また来年? いやいや、もう少し大会が進むのを待てば、こちらも熱が入ってきます、きっと。

それはともかくとして、先日初めて知って驚いたのですが、各都道府県大会で、1カ所だけ、シード制を採用してない大会があるんですね。

どこだか、ご存知ですか?

なんと、神奈川大会と並ぶ激戦区、大阪府大会がそうなのです。ちょっと意外。

いろいろ理由はあるようですが、「公平・平等」に重きを置いてのことだそうで、まあそれはそれで納得いく気もしますね。いっぽうで、試合数を減らしたり試合間隔を充分にとるにはシード制が必要だと「選手の健康管理」を重視する意見もあるようで、ここらへんは高校野球のむずかしいところです。

ただなんとなく納得いかないのは、都道府県大会のレギュレーションって、全国統一じゃないんだってことですね。各都道府県の高野連の都合で決められているようで、そっちの方がよっぽど公平性に欠ける気がしますが。

とはいえ、参加校数も都道府県ごとにかなり違うわけで、このへんはやむを得ないんでしょう。そのかわりではないんでしょうが、甲子園の本大会ではいっさいの区別なしのノーシード制ですね。クジがすべて。

じつはトーナメントという試合制度で、絶対的な公平性を確保するのは、かなりむずかしいのです。

というのも、各参加者が同じ数だけ試合をして、しかも日程の不公平もなしに組み合わせるというのは、ちょっと考えても無理。参加者数が2の2倍数でないとトーナメントが公平に組めないわけですからね。4,8,16,32,64、128、256……これ以外の参加数の場合は、どこかの試合数が多かったり少なかったりしてしまうわけです。これをクジ引きの運だけで決めるよりは、なんらかの実績を加味して決めたほうが、逆に公平だという考え方もアリですね。テニスのトーナメントなんかは、この方式で開催されています。

プロスポーツの興行では、逆にこのシード制度がないと困るケースもあります。興行の目玉になる強豪同士が、いきなりつぶしあう事態を回避できるからです。

昔話になりますが、フジテレビが主催する大がかりな花相撲である日本大相撲トーナメントが開始されたころ、こんなことがありました。輪湖時代のころですから1980年代の最初のほうだったかな。当時は幕内全力士出場トーナメントを二日間にわたって実施していました。

主催し中継するフジテレビもかなり力を入れていて、大会前に全幕内力士が参加して、組み合わせを決める公開抽選が行なわれました。もちろんテレビ収録アリ。

で、万事番付順の相撲界、番付上位から順にクジを引くことになります。

まずは東横綱・北の湖がクジを引きます。つづいて西横綱・輪島がクジを……引いた番号は、なんと北の湖のお隣り。1回戦からいきなり東西両横綱が激突です。両雄、顔を見合わせて苦笑いを浮かべるしかありません。

まあ組み合わせの妙ではあり、それなりに面白い展開ではありますが、主催者は苦虫でしょう。なにせ、二日間興行の二日目には、確実に大看板である横綱の片方がいないことになるんですからね。

この年の教訓を生かし、たしか翌年からは番付東西でブロック別の抽選になったと記憶しています。

この手のトーナメント大会ではこうしたことは起こりうる事態です。なので、より興行色の強いプロレスのトーナメント大会では、組み合わせは抽選ではなく、大会主催者(要するに開催団体のフロント)が決めてしまうことが多いですね。それも一つの行き方でしょう。

まあトーナメントの面白味は、組み合わせの意外性にあるともいえるので、一度どこかのプロレス団体で、超不公平トーナメントでも組んでみたらどうかな。クジ運さえよければ、どんなに弱くてもいきなり決勝にシードされてしまうとかね(笑)

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