暮れの祭典2018
私が生まれて初めてプロレスを会場でライブ観戦したのは、1979年年末の全日本プロレス「世界最強タッグ決定リーグ戦最終戦」だった。会場は蔵前国技館。ザ・ファンクスが優勝を飾り、ブッチャーとシークが壮絶な仲間割れをしたあの試合だ。もう40年近く前のことである。
以来、毎年年末最終のプロレス観戦は最強タッグ最終戦と決まっていた。ほとんど毎年欠かすことなく、世紀をまたいでゼロ年代の半ばくらいまでは通っていたと思う。
ジャイアント馬場時代から三沢体制、元子さん体制、武藤体制、白石体制、秋山体制と全日本プロレスが変遷しても、最強タッグはつづいてきた。まぎれもない暮れの風物詩である。
ここ数年は会場へ足を運ぶことはなくなっているが、最終戦だけはCSテレビ(サムライやGAORA)でなんとか観戦し、ほそぼそと観戦歴を紡いでいた。ところが、今年はそれが一変した。
春のチャンピオンカーニバルのときにも書いたように、ネット配信の「全日本プロレスTV」で全大会、全試合が配信されたのだ。
ここまでずっと見てきた最強タッグではあるが、さすがに全公式戦を観戦したことはない。考えてみたら、これはタイヘンなことだ。団体スタッフかプロレスマスコミでもないかぎり、なかなか出来ることではないのだよ。
そんなわけで月額900円でありがたく全公式戦を見ることができたわけだ。いい時代になったもんだ、まったく。
せっかく見たので、ざっくり感想をあげてみよう。もっとも全チームの寸評なんかは週刊プロレスあたりにまかせて、私は雑感だけ。
優勝したジョー・ドーリング&ディラン・ジェイムス組は迫力十分、優勝にふさわしい戦いぶりだったが、「ザ・ボンバー」なるチーム名はどうにもダサい(個人の感想です) じつは私たちが40年前に作った学生プロレスにほぼ同名のタッグチーム(弱い)がいたくらいなので、余計に古いセンスだと感じるだけかもとは思うけど。ちなみに野村直矢&青柳優馬組の「ノムヤギ」も、宮原健斗&ヨシタツ組の「ヨシケン」のコピー版にしか思えなくてよくないと思う。もうちょっと頑張ってカッコよくネーミングしてほしいね。
逆にパロウ&オディンソン組の「The End(ジ・エンド)」はカッコイイ(個人の感想です) いやチーム名だけではなく、ファイトもよかった。パウロ(デカいほう)の動きが少々心もとなかったが、オディンソンはセンスも動きも文句なしによかった。もうちょっとシェイプすれば、往年のジミー・スヌーカのようになるんじゃないか。ぜひともまた見たい。
TAJIRI&ギアニー・ヴァレッタ組は、こういうリーグ戦に欠かせない「かきまわし役」ぶりが見事だった。ところどころで大物食いをするやつ。ヴァレッタもまだノビシロがありそうなので今後に期待。ただしあの噛みつき攻撃はあまり迫力がないし、やめた方がいいと思うよ。
諏訪魔&石川修司組「暴走大巨人」(このチーム名はいいね)は、世界タッグ王者が優勝できなかったのだから、不合格だろう。でもまだマンネリをいうには早い気がするので、今後もどんどん組んでいくべきだろう。「ヨシケン」も三冠王者が優勝にからめなかったんだから、巻き返しが必要。
まあキリがないのでこれくらいしにて、ネット配信「全日本プロレスTV」で気がついた点を書いておこう。
チャンピオンカーニバルの時にもちょっと書いたが、入場テーマ曲がかかるときに、しばしば「無音放送」になるのは何とかならんものか。いや著作権とかJASRACがとか、いろいろあるのは承知しているが。
著作権的に問題ない曲を使うのはひとつの方法だろう。宮原の曲なんかはOKみたいだし、できないことではないと思う。まずは率先して、秋山社長から入場テーマ曲を変えるのはいかがだろう(大森隆男&征矢学組の「ゲット・ワイルド」はもう仕方ないが)
とくに開幕戦、全チームがリング上にそろう開幕式で、最強タッグのテーマ曲ともいうべき「オリンピア」が聞こえなかったのはなんとも残念。あれ聞かないと、暮れが来た気がしないんだよね(あとで自前のCDで聞いておいたけど) この曲だけは、来年までになんとか対処してほしい。
サムライTVなどの映像を使った大会以外では、ほとんどの会場でワンカメラの据え置き映像のみ、実況もなしの中継なのだが、これはこれで会場でのライブ観戦ムードが楽しめて味があってよろしい。
ただ、レスラー諸兄にはひとつご配慮いただきたいのが、タッグマッチの控えコーナーでの立ち位置。カメラ側に立たれると、肝心のリング上の闘いが見えないことがあるんだよね。これ、かなりのベテランでも気づいていなかったみたいで、試合中にずっと背中やお尻を見せっぱなしの選手も多かった。ワンカメラの会場(大多数がそうだ)ではカメラ位置にも気をつけるのが、プロとして当然の配慮だろう。
同じようなことだが、もうひとつ。会場設営によっては、カメラの正面に入場口が設置されることがある。それは入場時には良い画が撮れるのでまことに結構なんだが、時に試合中、セコンドやスタッフがその入場口からひょこひょこ出入りするのがカメラに捕らえられたりするのはマズいですよ。リングで対峙するレスラーのど真ん中にひょっこり入っちゃうんだからね。こんなのは心がけひとつ。充分注意してほしい。
総じて、まだまだネット配信にまで気が回りきっていない感じ。慣れてくればこうしたことも減るんだろうが、心していただきたい。
さて、今年のプロレスも残すところあとわずか……いやいや、みちのくプロレスの宇宙大戦争、DDTのD王グランプリ決勝、年越しプロレスなどなど、まだまだプロレス界は話題豊富。そして年明け早々には新日本プロレスの1・4東京ドームが控えている。
まったく、プロレスファンには暮れも正月もないのである(笑)
