神田ぶらり(60)鉄の掟
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かれこれ30年ちかく、平日はいつも神田で昼食を食べている私ですが、その半分近くは「サラリーマン御用達」の飲食店、立ち食いソバでいただいてます。(写真はイメージです)

立ち食いソバ屋さんの基本的なシステムは、こう。
チケットを買う(たいがいは自販機) → チケットを持ってカウンターへ行き、出来上がりを待つ → ソバを受け取ったら席を探し、喰う → ごちそうさま → 食器を返却口へ返して店を出る。
この間、基本的に所要時間5分ほど。
どこの店も流れるようにこの作業をこなすサラリーマンたちで盛況。しかし昼休みには混雑していても、そんなに待たずに昼食を終えられるというシステムです。サラリーマンの昼休み時間は、貴重ですからね。
ちなみに、こうした「自販機でチケットを買ってセルフサービス」っていうシステムはけっこう日本独特らしくて、ときたま紛れこんでくる外国人観光客はたいがいキョロキョロしたあげく回れ右して出て行ってしまいますね。たぶん彼ら彼女らがイメージしていた「ソバ」とはだいぶ違ったんでしょう。そりゃそうか。

(写真はイメージです)
で、こうした立ち食いソバ屋さんには、客が守るべきルールがあります。これを理解しない客が一人でもいると、たちまち店内のシステムが渋滞するんですよ。
私はこのルールを「迷うな つるむな 急に動くな」と集約してます。
迷うな 自販機の前に立ってから、さて何を喰おうかと考えこむのは禁止。特に昼飯どき、あなたの後ろには多くのお客が並んでいることを心得るべし。メニュー選択は迅速に。そしてご婦人客に多いのだが、自販機の前まで行ってからおもむろに財布を出して小銭を数えはじめるのも禁止。あらかじめ用意しといて下さい。
つるむな 一人で昼飯を喰うのは寂しいので友人、同僚と食事したいのはわかる。ならば立ち食いソバ屋では喰うな。仲間が並んで、あるいは向き合って食事できるスペースが空いているとは限らない。仲間のための場所取りも厳禁。そして、喰い終わってからも延々と世間話をして席を立たないのもご法度だ。食べ終わったら速やかに店を出るべし。仲間との楽しい会話は、喫茶店ででもやってくれ。
急に動くな これいちばん重要。立ち食いソバ屋はたいてい狭く、通路の広さも不十分だ。キミが急いでいる(あるいはせっかち)のはわかるが、ほかの客の動きに気を向けず、自分の都合だけでパッと動くのは危険。食べ終わって返却する食器を、あるいはもっと悲しくも、これから食べるはずのソバを大音響とともにぶちまけさせ、そしてキミ自身もソバ汁を浴びて呆然、なんて事態を招きかねないぞ。動き出す前に周囲の状況をよく観察し、自分だけでなく他人の動きも予知しつつ、慎重に行動しよう。
もちろん「先に席を占領してからチケットを買いに行く」とか「ソバが出来たコールを平然と無視してスマホに夢中」とか「でっかい荷物を席に置いて周囲に迷惑」とか「食べ終わった食器を片づけないでサヨナラ」とか、そんなの社会常識だろ的なルール違反も散見しますが、上記三つの鉄則はけっこう知らない人もいるようだ。ご注意を。
立ち食いとはいえ、食事は食事。お互い気持よく食事を楽しもうじゃありませんか。
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