ジャッキー・チェンと勝負する(6)
第6弾は「スネーキーモンキー 蛇拳」。またまた古い映画に逆戻り。
ご存じのように、この映画は、ジャッキーの出世作とされる「ドランクモンキー 酔拳」より以前の1977年の作品だが、日本では「ドランクモンキー」のヒットを受けてから、その半年後の1979年年末に公開されている。
それなりに作りこんだ宣伝で日本公開された「ドランクモンキー」が予想外(?)のヒットになったからなのか、「スネーキーモンキー」の公開は「急遽公開決定」な感じがありありだった。公開当時は香港の事情がよく知られていなかったせいもあって、あわてて作った二番煎じ映画に見えた感は否めなかった。実際はそうじゃないのに(笑)
そのうえ、同時上映作品が(「ドランクモンキー」同様邦画番線で封切られた)松田優作の「処刑遊戯」。当時乗りに乗っていた優作の遊戯シリーズ第3弾で、その出来栄えと熱気に食われた感も否めないところ。
なので、当時劇場で観た感想としては、「やっぱりだいぶ落ちるね」だった。
まあ、日本公開が急造だったのは確かだろう。
「ドランクモンキー」には、四人囃子が歌う日本オリジナル主題歌「拳法混乱(カンフージョン)」がつけられ、実は音楽もオリジナルにかなり手を加えてあったりした。
だが、間に合わなかったのか予算がなかったのか、「スネーキーモンキー」には日本版主題歌もなく、音楽も香港版そのまんま。香港映画界は当時そのへんには無頓着だったらしく、平気で出来合いの音楽を使用していたりしたので、ずいぶん安っぽく感じたもんだ。(音楽に関しては、今回のディアゴスティーニ社のDVD版も当時のまんまみたい)
そのへんもあって、公開当時の「スネーキーモンキー」は、だいぶ印象が悪かった。
ところが、今回数十年ぶりに見直してみて、ずいぶん印象が変わった。今回の感想は、「これ、意外に面白いじゃないか」
最初の時には感じなかったが、けっこうシナリオがしっかりしているのだ。師匠が猫舌だという伏線などもしっかり張ってあるし、身内に裏切り者が、みたいな意外性も用意されている。話のテンポも悪くない。
まあ「最初に出てくる〈蛇拳派に残された最後の後継ぎ〉の話はどうなっちゃったんだ?」みたいなツッコミどころはあるんだが……
香港で大ヒットしたこの「スネーキーモンキー」こそが、実はジャッキーの真の出世作であり、このヒットを受けて続編的に作られたのが「ドランクモンキー」の方であったことを考えれば、「スネーキーモンキー」の方もいい出来ばえなのは当然のこと。
当時「ドランクモンキー」を先に見せられた我々はこの映画に「二番煎じ」感を抱いてあんまり高く買わなかったのだが、そこにはこんな気の毒な事情があったんだなぁと、今さら考え直した次第。
さらに言うなら、今回のDVD、時間が97分なんだが、私はずっと、もっと短い映画だったように記憶していた。あるいは、日本劇場公開版は、どこかをカットされていたのかもしれない。だとしたら、ますます気の毒な映画だったんだな。
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