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春場所ニューカマー10年後

平成27年春場所に新弟子検査をパスした同期入門43人のその後の相撲人生を定点観測する本欄も、とうとう10年が過ぎました。

この間、彼ら自身はもちろん、大相撲の世界にもいろいろなことがありました。そもそも10年前の平成27年春場所の番付、覚えてますか?

この場所の番付は、3横綱3大関。横綱陣が白鵬、日馬富士、鶴竜で、大関陣が稀勢の里、琴奨菊、豪栄道。14勝1敗の白鵬が6場所連続で34回目の優勝。新関脇の照ノ富士が準優勝で殊勲賞、敢闘賞を受賞し、この翌場所には初優勝して大関に昇進しています。

いやぁ懐かしいですねえ。まさに今昔の感あり。さすがに現在も現役の幕内力士はいない……と思いきや、この場所の新小結が玉鷲で、佐田の海、宝富士も平幕上位に名を連ねています。この3人、やっぱり凄いんですね。

さてそんな場所にデビューした面々をずっと見てきたわけですが、今年はちょっと気が重い。どうも平成27年春場所組、この1年はあまり良い年ではなかったようです。

まずは、いちはやく関取の座を射止めて出世頭ともなった御嶽海。幕内優勝3回、大関にまで上った彼ですが、大関陥落後はどうも思ったように相撲が取れていないようです。

苦闘の1年間

ご覧のとおり、昨年夏場から体調が悪いのか、4場所連続の負け越し。この春場所でも歯止めはできず、どうやら来場所は十両へ陥落しそうな成績。もしもそうなれば、平成27年秋場所以来のこと。その翌場所に新入幕をはたして以来十両落ちはありませんから、一大事です。幕内残留なるかはもはや番付運しだいです。

同じく北勝富士も、まったく振るわない1年になりました。

大ピンチ!

ご覧のとおり、2023年九州場所以降勝ち越しなし。8場所連続で負け越したり休場したりで、小結から番付はみるみる降下して、この春場所はついに十両落ち。こちらも8年ぶりの陥落でしたが、その十両でも大敗して、なんと来場所は幕下への降下が決定的となりました。体調さえ戻れば巻き返しは可能でしょうが……

じつはこの2人、春場所終盤には、あるいはこのまま……などというムードすら漂いました。どうやら現在のところ引退云々はないようですが、どうなんでしょうか。

というのも、若い若いと思っていた彼らも、とうに30歳を超えているからです。ともに1992年生まれの32歳。一昔前には力士は30代に入るともう晩年、引退間近みたいなイメージがあったものです。最近は力士寿命もだいぶん長くなってますが、それでも30歳は一区切りの年齢でしょうか。

もっともそれは、大半の力士が中学卒業、15歳くらいで入門していた時代のイメージでしょう。15歳でデビューして15年の力士生活、というのが一般的なサイクルだったのです。

しかし、現在の力士のデビュー年齢は遅くなっています。高校卒や大学卒が普通になり、大卒ならばデビューは22歳くらい。じっさい、御嶽海も北勝富士もまだ力士生活10年なのですから、まだまだ。上記した玉鷲は40歳だし、佐田の海も宝富士もまもなく40代に突入しますが、依然として元気なのはご存知のとおり。

御嶽海も北勝富士も、もうひと踏ん張り、頑張ってほしいところです。

幕内上位の常連さん

こうして見返してみると、宇良もこの1年では1場所しか勝ち越していません(昨年秋場所) にもかかわらず、上位に定着し、毎場所のように館内を沸かせています。負け越し幅も小さく、なんか番付運もいいんですよね。もともと多彩な持ち技に、近年は前進するパワーもついてきました。御嶽海、北勝富士と同年齢だけど、こちらはまだ元気。そろそろひさしぶりの三賞なども手にしたいところ。

波乱万丈の1年

霧島は良い年だったのか、悪かったのか、いまいちハッキリしない1年を過ごしました。昨年春場所と夏場所を連続負け越して大関在位6場所で陥落。翌場所も8勝止まりで特例復活ならずだったのに、その翌場所の秋場所では12勝の大勝ちで大関復帰が見えたと思った矢先の九州場所は負け越して平幕へ降下。今度はそこで11勝して敢闘賞。春場所では三役復帰したものの、辛うじて勝ち越しと、まことに振幅の大きな1年でした。まあ霧島はまだ28歳なので、大関再昇進もいずれは成るのではないでしょうか。

同期(平成27年春場所入門)から4人の関取、2人は大関まで昇進しているのはなかなか優秀なのですが、その大関2人がいずれも陥落しているのもまた事実。この期は優秀なんでしょうか?

そしてこの2人を追う連中も、この1年は停滞ムードが漂ってます。

ケガは乗り越えたか

十両目前までいきながらケガで後退を余儀なくされた井上改め肥後ノ海。休場明けの序二段から一気に幕下中位まで番付を戻したものの、そこで頭打ち。いまだ自己最高位の幕下19枚目よりも上位に復帰できていません。もっとも中卒組の彼はまだ25歳。これから、か。

もうちょっとだったのに

チャンスをつかみかけたのは、昨年から5場所連続勝ち越して幕下上位まで上昇した小原。幕下4枚目で臨んだ九州場所、勝ち越せば十両昇進の大チャンスだったのですが惜しくもそこからは2場所連続負け越しで後退。ただこの春場所は勝ち越して、ふたたびチャンスを迎えそうです。頑張れ。

壁を打ち破れ!
もう一息、上へ!

大和湖の両者は幕下中位を行ったり来たり。もうひとつ上へ突き抜けられません。やはり幕下上位の壁は厚いのか。とはいえ、2人とも三段目へ落ちることもなく幕下を維持し続けているのは偉い。そろそろ突き抜けて欲しいところ。

こちらも壁に……

いったんは幕下に定着しかけたかに見えた諒兎馬でしたが、その後は三段目暮らし。この1年では2回幕下に上がりましたが、いずれも撥ね返されて出直し中です。まずは幕下定着、そして上位へ。大いに励んでほしい。

残る5人、朝童子、大当利、出羽の空、京の里、福生龍(昨年初場所に福湊から改名)は、いずれも幕下昇進ならず。それどころかこの春場所は全員序二段以下で、そのうえ全員負け越し。そろそろ奮起しないと、この地位に永住することになりかねませんよ。

とはいえこの1年、この組から一人も引退力士が出なかったのは、とりあえずめでたい。なんだかんだ言っても大相撲の世界はサバイバル戦。生き抜くだけでも大変なのです。頑張って、生き残れ!

ということで、また来年、この欄で再会できることを願ってますよ。

では、2026年春場所後に、またお会いしましょう。

大相撲/丸いジャングル 目次

【2025/5/15】 夏場所5日目の今日、北勝富士の引退、年寄・大山襲名が発表された。もうちょっとやれると思ったが、やはり体に無理が来ていたのか、10年で区切りをつけたようだ。この同期組では初の年寄襲名となる。今後の活躍に期待します。お疲れさまでした。



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