ジャッキー・チェンと勝負する(14)
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今回は「九龍の眼」(1988)。劇場公開時はこのタイトルで「クーロンズ・アイ」と読ませてた。今回のディアゴスティーニ社版では、「ポリス・ストーリー2」と添えられているように、「ポリス・ストーリー」(1985)の続編だ。
同じく続編として製作された「プロジェクトA2」(1987)と同様、前作のダイジェストから入る。じつは、この2作品「プロジェクトA2」と「九龍の眼」は、ストーリーの作りの部分で、共通するものがあるのだ。
どちらも主要登場人物は共通にしながらも、メインのストーリーはまったく独立したものにする。そこに、前作の後日談をサイドストーリーとしてからませる構造だ。「プロジェクトA」の海賊の残党が「プロジェクトA2」でドラゴンへの復讐を狙って登場するのと同じように、「ポリス・ストーリー」でジャッキー演じる刑事に粉砕された犯罪組織が「九龍の眼」で復讐を画策する。本筋とはあまり関係なく、この(ちょっとコミカルな)サイドストーリーが展開する。
こうしてストーリーを緩やかにつなぐのが、ジャッキー的続編の作法なのだろう。
ストーリーの中核となる事件は、連続爆破事件。最初の脅迫→爆破のサプライズ(けっこう上手い)から始まり、ラストの不必要なまでに巨大なファイヤーワークまで、派手な爆発効果が多用されるのは、破壊型の80年代後半ジャッキー・スタイルのひとつの到達点だ。
「ポリス・ストーリー」に続いて、本作でもジャッキーは監督をつとめている。監督としては第8作。そしてこの「九龍の眼」を見ると、監督ジャッキーの力量が、ぐんぐん伸びてきているのがよくわかる。ここで監督ジャッキーの腕前は完成の域に達したといえよう。
冒頭のトラック集団疾走からはじまり、弛むところがほとんどない。とくに緊迫感あふれる大尾行シーンからは、監督ジャッキーの力量が半端でなくなっていることがうかがえる。あの名作「フレンチ・コネクション」の尾行シーンに匹敵する出来ばえといったら誉めすぎかな。しかし、下手するとダラダラしたものになる尾行シーンは、けっこう難しいのだ。初期の監督作を思い出すにつけ、監督業に限らず、やはり経験というのは、やはり何ものにも替えがたいものなんだな。
本人にもその手応えがあったのではないだろうか。この後の「奇蹟/ザ・ミラクル」を経て90年代に入ると、監督本数は減少してゆく。監督としての自信を自分が持つことによって、他の人間に監督をまかせる度量と余裕が生まれたのだろう。
それにしても、なぜこの映画の邦題は、「九龍の眼」だったのか?
「ポリス・ストーリー」が大コケしたのなら話はわかるが、そんなことはない。公開時期も前作から2年ほどなので、わざわざまるで別物のタイトルをつける必然性はあまり感じられない。配給だって同じ東宝東和なのだ。そのうえ、この「九龍の眼」というタイトル、さほど素晴らしい邦題でもないじゃないか。香港での原題は「警察故事續集」なのだから素直に「ポリス・ストーリー2」でよかったと思うんだが……謎だね。
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