瀬田ぶらり
この春先、うちのカミさんがちょっとした入院・手術をすることになり、病院のある世田谷区瀬田に何度か行くことがありました。カミさんは診察やらリハビリやらとあるのですが、送り迎えが基本の私はそのあいだはヒマなわけで、おかげで瀬田界隈をウロウロすることになりました。
考えてみたら、二子玉川の商業施設にはわりとよく通っているのですが、その周辺の町はほとんど歩いたことがない。じつはカミさんはこの地区にある学校の卒業生なのですが、バス通学路以外は知らないそうで参考になりませんでした。真面目だったのかいな。
ということで、ぶらぶらと当てもなく歩きまわることにしました。さあ、どんなものがあるんでしょうか?
界隈でいちばん有名なのは、たぶんここでしょう。

玉川大師さん、正式名称は「寶泉山・玉眞院」 本堂の下に地下仏殿があることでちょっと有名で、テレビ番組などでしばしば紹介されるので、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。
さぞや由緒のある寺院なのかと思っていたんですが、じつはこの玉川大師、創建は1925年というから大正年間、おやちょうど100年目じゃないですか。売り物の地下仏殿は昭和9年の完成というから、なんだうちの老母と同い年じゃないか。意外と若い(?)
まあそんなことで有難味がどうこうするわけじゃないんですがね。暗いところが苦手なので、暗黒空間だと伝えられる地下仏殿への訪問はご遠慮しておきました。
この界隈には意外なくらい神社や寺院が多く、もっと古いものもあります。江戸時代からの大山詣でのための大山街道が通っているせいもあるのでしょうか。

瀬田玉川神社は16世紀の永禄年間に創建というからかなり古いですね。ただ、もともとは御嶽神社といっていたのが明治時代の神社整理のため近隣の6社を合祀してこの名になったとか。
ちなみに近所には身延山久遠寺の関東別院の妙隆山・玉川寺というお寺もありますが、なぜかこちらは「ぎょくせんじ」と読みます。昭和7年に日暮里から移転してきたんだとか。なんで「たまがわじ」じゃないかは謎。
こんな神社さんもありました。

こちらは瘡守稲荷神社。江戸時代の創建ともいわれますが、詳しくは不明。この名の神社も全国各地にあるそうですね。疫病退散のご利益がありそう。皮膚病のかたはお参りするといいんじゃないでしょうか。現在は世田谷区営の「かさ守稲荷公園」にもなっています。
もちろん水源豊富なこの地には、もっと古くから人が住んでいました。玉川病院の入り口にはこんな標識も。

縄文時代の下山遺跡がここにあったようです。もちろん現在は埋蔵されているのか隠滅したのか知りませんが、この石柱が建っているだけです。

急坂の横、フランシスコ修道会の塀の向こう側の私有地内のこのあたりには将監塚と呼ばれる古墳もあるそうです。現在はけっこうな高級住宅地ですが、むかしから人気のある地域だったんですかね。
住宅地を歩いていると、こんなものもありました。

ふたつの碑にはそれぞれ「辨才天」「馬頭観音」の文字がありました。「辨才天」のほうには「天保」の文字が見えましたので、200年ほど前のものでしょうか。往時には瀬田の村人が手を合わせていたと思うと、なかなか趣き深いです。
こちらは瀬田玉川神社に隣接した喜楽山・慈眼寺さんの入り口付近にありました。

古いものだけではありません。こんな場所にも遭遇。

瀬田農業公園です。フツーの遊具のある児童公園に、家庭用菜園が併設されている感じで、近隣の幼稚園や保育園の畑もありました。写真ではわかりにくいかもしれませんが、けっこうな広さを有しています。このへんの地価を考えると、すごい施設っぽく感じますね。看板には「分園」とありましたが、してみると近くに「本園」もあるんでしょうか(あとで調べたら、ちゃんとありました)
とはいえ、歩きまわっているとけっこうしんどいのも事実。
というのも、この瀬田の地をズバッと分断しているのが、かの有名な国分寺崖線。多摩川左岸の河岸段丘の一部で、立川から大田区までおよそ30キロにわたって続く急峻な崖です。このあたりでもかなりの高低差があって、当然そこを越えるには強烈な坂道が立ちふさがります。

私が住んでいる川崎市宮前平も「平」と付くわりには強烈な上り下りがありますが、狭いエリアでの高低差は勝るとも劣りません。車でもキツいだろうし、自転車では電動アシストが必でしょう。この馬坂も、たぶん「馬でもへたばる」とかいういわれがありそうです。

ここは本来は坂ではなく沢だったんでしょうね。コンクリートで覆われた歩道の足元からは水音が響いてきます。国分寺崖線の上(上流付近に瘡守稲荷があります)から下流は崖線に沿って流れる丸子川まで流れています。雨上がりだったせいもあってけっこうな水量。名前からして、むかしはマムシが出たんですかね。くわばらくわばら。
丸子川は崖線沿いの緑地と住宅地のあいだを流れていますが、けっこうきれいな流れです。自然豊富なのもこのへんの魅力でしょうか。


丸子川をさかのぼっていくと、緑地に入っていくこんな怪しげな道も。

おっかなびっくり入っていくと、古い石段があったりしましたが、そのうえには立派な社殿が。この道は裏参道なんですかね。

気がつけば、瀬田から岡本へ抜けていたんですね。岡本八幡神社は創建時期などはよくわからないらしいですが、いろいろいわくのある神社だったようです。あらためて、今度また見に行ってみないといけませんね。
写真のそこここに写っていますが、世田谷区の肝いりなのか、おもだった名所には御影石の石票が立っています。まだ新しい感じですが、たいへん結構なことです。でもそのなかには……

それでいいのかと、ツッコみたくなりますよねぇ(笑)
さて、瀬田の地が自然豊かなのは大変けっこうなのですが……
こちらは、世田谷区立の旧・小坂緑地。いいところです。

静かで空気も澄んだ庭内を通り抜けて、心洗われた気分で門を出て振り返ると、こんな表示が。

先に言ってよね!
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