AIで採用は減る——人事の4割がそう答えた|大手の実例と、個人の備え
はじめに
「AIが会社に広がったら、新卒の採用人数は減ると思いますか?」
この問いに、人事の約4割が「減る」と答えました。
2026年の新卒採用実態調査、779人の人事担当への調査結果です。
4割という数字を、どう受け止めますか。
これは、遠い大手の会議室で起きている話ではありません。
これから就職する人、転職を考える人——つまり「あなた」の足元に、直結する話です。
私は現役の人事として、会社のなかでAI導入の動きを見てきました。
同時に、個人ではAIエージェントを毎日使い倒しています。
その両側から、日本の大手でいま実際に何が起きているかを読み解いてみます。
この記事でわかること
「AIオールイン」を宣言した大手の、1年後のリアル
大手でも割れている「人を動かす」か「人を減らす」か
その実例から、個人が今日できる備え
AIと自分のキャリアの距離が気になる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
「AIオールイン」を宣言したDeNAの、1年後

まず、いちばん象徴的な実例から。
2025年2月、DeNAは「AIにオールインする」と宣言しました。
内容はこうです。
いまの事業を、半分の人数で回す。
浮いた半分の人を、新しい事業へ振り向ける。
念のため補足すると、これは「人を減らす」宣言ではありません。
"減らす"のではなく、"移す"という宣言でした。
そして1年後、2026年3月。
南場会長は、正直に打ち明けました。
「新規事業への人材シフトが、思ったほど進んでいない」
面白いのは、ここです。
効率化そのものは、むしろ劇的に進みました。
南場会長は「生産性は20倍になった」とすら語っています。
それなのに、人は新しい事業へ動かなかった。
理由も、とても人間らしいものでした。
AIで時間が空くと、社員はその時間を、これまで「やりたくてもできなかった既存業務の深掘り」に使ってしまう。
まじめな人ほど、そうなる。
つまり、こういうことです。
宣言して、AIに本気で投資した会社ですら、組織を動かすのは難しい。
「宣言すらしていない会社」はどうなるか
少し想像してみてください。
DeNAは、宣言して、投資して、それでも「思ったほど進んでいない」と言っています。
では、宣言もしていない、投資もしていない会社は、どうなるでしょうか。
もっと動かない、と考えるのが自然です。
前回の記事で、私は「AIを使えない会社に、静かに差が開いていく」と書きました。
大手の当事者が「進んでいない」と認めたことは、その差が現実に始まっている証拠でもあります。
あなたの会社は、どちら側にいるでしょうか。
そして、それを待っていて、大丈夫でしょうか。
「AIを軸にした組織のスリム化」も始まっている

DeNAは「人を移す」側でした。
でも、大手の対応は、1つではありません。
2025年7月、リクルートホールディングスは、傘下のIndeedとGlassdoorで約1,300人を削減すると発表しました。
ただ、ここは正確に書きます。
これは「AIが仕事を奪ったから減らした」わけではありません。
「AI開発をもっと速く進められる組織に作り替える」ための、再編にともなうスリム化です。
(実際、同社は「新しいプログラムコードの3分の1はAIが書いている」と明かしています)
「人を移す」DeNA型と、「組織を絞る」リクルート型。
大手でも、正解は割れています。
ただ、共通していることが1つあります。
どちらも、AIを軸に組織のかたちを変えはじめている、ということです。
人事の4割が「採用は減る」と答えた

冒頭の数字に戻ります。
新卒採用実態調査2026(人事779人)では、約4割が「AI活用が進めば、採用人数は減る」と予測しました。
6割を超える人事が、「今のやり方を変える必要がある」とも答えています。
採用の現場も、確実に変わっています。
たとえばソフトバンクは、新卒採用の業務工数を、AIで75%削減したと報告しています。
私は人事の当事者として、これを他人事だとは思えません。
採用が減る、やり方が変わる。
それは、就職や転職をする"個人"の側から見れば、「戦い方が変わる」ということだからです。
個人はどうしていくべきか?
ここまで、大手の話をしてきました。
でも、いちばん伝えたいのは、ここからです。
会社が「移す」のか「絞る」のか、いつ動くのか。
それは、個人にはコントロールできません。
待っていても、答えは会社から降ってきません。
できることは、1つだけです。
会社より先に、自分がAIを使えるようになっておくこと。
私も、会社を待ちませんでした。
個人の活動から、AIエージェントを触りはじめました。
最初は、うまくいかないことばかりでした。
でも、順番はシンプルです。
まず、1つの作業を任せてみる。
やってみたことを、記録して発信する。
それが積み重なると、「AIを使えます」の証明になります。
非エンジニアには、資格の試験も、決まった肩書きもありません。
だからこそ、AIに触った実績そのものが、いちばんの名刺になります。
まとめ|あなたは、どちら側か
大手の実例が教えてくれたのは、少し意外な事実でした。
組織を変えるのは、宣言しても、投資しても、難しい。
裏を返せば、こうも言えます。
会社が動くのを待つより、個人が先に動くほうが、ずっと速い。
だから、問いはシンプルです。
あなたの会社は、どちら側でしょうか。
そして——あなた自身は、どう動きますか。
HITO|元高校英語教員・会社員(人事職)
現役の人事をしながら、個人ではAIエージェントを毎日使い倒しています。
使ってみて分かったことを、飾らずそのまま書いています。
AI活用のリアルは、インスタ「@hito_inc_ai」で発信中👇
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