“イスラエルからエジプトへ陸路での国境越え”
2023年8月12日
この日は7時にテル・アビブ・バス・ターミナル発のバスで4時間かけて南方の国境沿いの港町、エイラットEilatに向かい、そこから別なバスで国境を越えてエジプトのタバTabaへ1時間掛けて移動し、1日1本しかない15時発のバスで2時間掛けダハブDahabへ辿り着く予定だった。ダハブは格安でダイヴィング・ライセンスを取得出来るリゾート地であり、多くの日本人バックパッカー達の没落地として知られていた。
しかし、この日は土曜日であり、サバスの影響で午前中、テル・アビブ・バス・ターミナルは閉まっていた為、私は午後のバスに乗るべく一時宿へ戻り、2時間ほど休憩してから出直した。午後になってもバスの本数は多くないようで、ターミナル内は最低限の灯りしか着いておらず、売店も全てしまっていて、不安になった。私は30歳前後に見える現地人カップルから券売機での乗車券チャージ方法を教えてもらい、何とか出発時刻の11時ギリギリで乗車した。バスは15時半にエイラットに着き、そこから別なバスで1時間掛けてタバへ行って、私は徒歩でエジプトへと国境を越えた。国境では出国税と入国税、合計約30ユーロ相当を支払わなければならず、私は普段課されることのないこの税に不条理さを感じた。エジプト側国境管理施設内には売店があったので、私はここでチョコレート・アイスを食べた。
ダハブ行きのバスはもうないので、私は声を掛けて来たタクシー運転手の提案に応じ、60ユーロ相当でダハブにタクシーで行くことにした。60ユーロは決して安い値段ではないので、ダメ元でも値切り交渉をすべきだったが、この時、私は暑さに頭がやられていた上、旅程がこれ以上狂うことに対するプレッシャーを感じていた。運転手は60歳近くに見え、アラブ系のような骨格だが、黒人のように黒かった。彼は拙い英語で怒鳴るように接客をし、タクシーを数台所有していることを自慢するかのように話し、私は早速とんでもない国に来たぞと思わされた。彼は10分ほど運転すると、40ユーロ相当を受け取って、20代らしき若いアラブ系の部下に私を引き継いだ。この引継ぎは部下が英語を話さないが故に必要だったとも解せるのだが、それならばそうと説明すればいいのに、運転手は何故かこの引継ぎの意味をきちんと説明しなかった。きっとこの引継ぎには、何か問題が起きた時、責任の所在を有耶無耶にする目的もあったのではないかと私は勘繰る。
3時間ほどでダハブに着くと、私は20ユーロ紙幣を部下に渡し、予約していたユース・ホステルに入った。

