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戦争とバスタオル

『戦争とバスタオル』という本を読んだ。
安田浩一さんと金井真紀さんの共著。亜紀書房から。

安田さん…日本のジャーナリスト。千葉県在住。非正規雇用、外国人労働者、ヘイトスピーチ、ネット右翼など人権と差別を中心に取材・執筆している。2024年4月、朝日新聞の書評委員に就任。(安易にWikipediaより)

金井さん…テレビ番組の構成作家、酒場のママ見習いなどを経て、2015年より文筆家、イラストレーター。 著書に『世界はフムフムで満ちている』『酒場學校の日々』(いずれも皓星社)、『はたらく動物と』(ころから)、『パリのすてきなおじさん』(柏書房)、『サッカーことばランド』(ころから)、『虫ぎらいはなおるかな? 』(理論社)など。

金井さんについて↓



父が我孫子図書館で借りてきたものだが、名前の「戦争」と「バスタオル」のギャップに釣られてしまった。


↓ 以下、この本の成り立ちについて。説明が少々へたくそなのでお気をつけあそばせ。↓

金井さんの「はじめに」によると、安田さんと金井さんは銭湯友達で、湯上りにビールを飲んでいる時に
「ヘイト本より、金井さんの本のほうがよっぽどおもしろいのに」
「安田さんが取材しまくって書いた本より、適当に情報を切り貼りした本が売れるって、おかしいですよ」
と慰め合っていた。

そんな会話の中、金井さんが「おもしろくて売れる本をつくって、対抗すればいいじゃん。そうだ。歴史修正主義を蹴っ飛ばす面白い本をつくれ」と言い、この本ができあがった。


目次はこう。



である。この中でわたしが具体的に場所を思い浮かべられるのは、旧泰緬鉄道だけ。

出版する前に、ひとつの章ができあがるたびにブログとして公開していたようなので、興味があればこちらを読んでください。


このnoteには、私が忘れたくないことと、読んだときの私の気持ちを書くだけです。


第一章 ジャングル風呂と旧泰緬鉄道


ヒンダット温泉。タイ中部の街カンチャナブリ―からバスで約3時間。
ミャンマー国境近くにある天然温泉。

https://www.thailandtravel.or.jp/hin-dat-hot-spring/


このふたりがバンコクからカンチャナブリ―まで乗った現在のタイ国鉄ナムトック支線という路線は、かつて第二次世界大戦中にインド侵攻作戦を計画していた旧日本軍が、タイとビルマを結ぶために建設した鉄道である。


総延長415キロメートルの泰緬鉄道。

旧日本軍はオーストラリア兵や英国兵など連合国軍の捕虜と、アジア各国から重用された「ロームシャ(労務者)」など、20万人を超える労働者を集め、1年数か月と定められた無茶な工期のため、過酷な強制労働をさせた。

飢え、疲労、伝染病(雨季のため不衛生で、マラリア、コレラ、アメーバ赤痢が流行)、また日本軍の監督者の虐待で、約1万2千人の捕虜と数万人のアジア人労働者の命が奪われたそうである。

そのため、タイ国内だけでなく英語圏でもこの鉄道をDeath Railwayと呼ぶそうだ。

タイでは「死の鉄道」をユネスコの世界文化遺産に登録する動きがあるようだが、親日国と言われるタイでは日本に対する配慮もあり、「死の鉄道」という名称を使うかどうかには議論もあるらしい。

日本国内でも、「インフラ設備に尽力した日本」という美しい物語に納めようとする動きがあるそうで、安田さんは「加害と失敗の歴史を美談に塗り替える、いつものアレだ」と皮肉っている。


『戦場にかける橋』という映画がある。1957年公開、『アラビアのロレンス』で有名なデヴィット・リーン監督、アカデミー賞で7部門を制した英米合作の大ヒット作。この「死の鉄道」の敷設中、最大の難関として描かれるクウェー・ヤイ川に橋をかける大工事をテーマにしているらしい。
わたしもいつか観てみたい。

橋の横の金属プレートに、この鉄道敷設工事で命を落とした人の数が
アジア人80000±、イギリス人6540、、というふうに書いてあるそうだ。

マレーシアやビルマから無理やり連行された「ロームシャ」の死者数が桁ちがいに多い。彼らは食べるものもとくにあたえられず、病気になっても放置された。大量の命が次から次に使い捨てられたのだ。ロームシャのなかには、自分が連れてこられた場所がどこなのかさえ知らずに死んでいった人も多かったという。

命からがら終戦を迎えることができても、そのあとがまた悲惨だった。連合軍の捕虜たちは解放され、日本軍は引き上げ、ロームシャだけが残された。故郷に帰る金も方法も持たず、縁もゆかりもない土地で一生を終えたロームシャも少なくない。そんな人生ってあるだろうか…。 p22

なんか、もう、この事実に、金井さんのぽつりとしたひとことに、これ以上言うことがあるだろうか…。


他にも学んだことがある。

タイの国民の94%は仏教徒だが、マレーシアに近い深南部3県はマレー系住民が多く、全人口の8割以上がイスラム教徒だという。

100年ほど前にタイ領に組み込まれ、タイ政府による厳しい同化政策を受けてきた。分離独立を求める反政府組織の爆弾テロが頻発しており、「東南アジアの火薬庫」と呼ばれている。


パッターニー、ヤラー、ナラ―ティワート
https://www.thailandtravel.or.jp/areainfo/thailand-map/


2005年のこんな記事もあったので貼っておこっと。


ちなみにタイ国政府観光庁が出してるこんなマップもあった。


タイはバンコクとプーケットしか行ったことないけど、国土面積が日本の1.4倍らしい。夏休みにカンボジアからラオスに行くとき、ほんとはタイを経由して行きたかったけど、タイとカンボジアの国境が紛争によって閉鎖されてて行けなかった。

たしかにタイ深南部あたりにタイで一番美しいモスクというのがある。

日本で近隣諸国との紛争って近年はなかなかないけど(尖閣諸島とか竹島問題がそれに当たるのかな)、ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナとイスラエルの戦争以外にも、各地で小さな紛争はいくつも起こってて、それで亡くなる人もいるんだよね。

2025年4月に起きたパキスタンとインドの国境らへんとか、紛争じゃないけどミャンマーのロヒンギャ難民とか。あー書いてると暗くなる。

ヨーロッパの火薬庫は有名だけど、中東の火薬庫というのもあるらしい。
中東は、パレスチナ、レバノン、あたりなのかな。(今地図を見て初めて気づいたけど、わたしの台湾時代のルームメイトのキプロス人の子が住んでるとこは、こんなにもパレスチナに近いのか…。お互いきな臭いとこに住んでるなぁ…)




第二章 日本最南端の「ユーフルヤー」


辺野古といえば、多くの県民の意に反して米軍の新吉建設工事が進められている土地。安田さんは何年も前から辺野古をはじめとする基地問題の現場に通って、理不尽な基地押しつけに苦しむ市民や地元紙の記者たちの声を拾って伝えてきた。

(中略)じつは辺野古住民の多くは、基地建設を容認している。経済的な理由もあるが、生まれ育った故郷が何重ねんもずーっと基地問題で揺れていて、もううんざりだというのが本音らしかった。政治に振り回され、記者がうろついて、活動家が叫び、地元は反対派と容認派で分断されてしまった。いくら反対したところで基地建設は止まらないじゃないか、ならば早いとこつくっちゃってくれ。そしたら静かな日常が取り戻せる…。  p67-68

ユーフルヤーというのは、沖縄の言葉で銭湯を意味するらしい。金井さんと安田さんは沖縄の銭湯に出かけた。そこで金井さんの上記の発言、というか文章なのだが、わたしもてんで知らなかった。ゼミの先生が沖縄の基地に対する住民運動を研究している人なのにも関わらず…。

また、1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効され、日本はこの日を「主権回復の日」としている。しかし沖縄と奄美はこの日日本から切り離された。米国に”引き渡された”沖縄では、この日を「屈辱の日」と呼ぶ人が少なくない、ということも知らなかった。

沖縄戦の際、収容所に入れられたおじさんは取材の中でこんな風に話した。


楚辺(そべ)の収容所からは、停泊する米軍の艦船に特攻隊の戦闘機が体当たりをこころみるさまが見えたという。

「特攻機の音はさびしいんです。本当にさびしいような悲しいようなブーーーンという音です。それで船に体当たり。だけど成功したのは……1回だけそれらしき姿を見たんですけどね」

ほとんどの特攻機は体当たりする前に、敵機からの銃撃や地上からの高射砲で撃ち落とされてしまうのだった。

「日本軍は持っている弾数が少ないものですから、敵機が来てもなかなか撃てない。米軍はポンポンポン!と太鼓を叩くような勢いで撃つ。子どもながらに兵隊さんが気の毒で悲しかった」

それほどの至近距離で特攻隊の最期を見ていた人がいたとは。沖縄での特攻作戦は1945年の4月6日から7月19日まで続いた。鹿児島の知覧基地をはじめとして宮崎、熊本、台湾などから連日、特攻機が沖縄をめざして飛び立ち、二度と戻らなかった。「お国のために」死んだ特攻隊員は1000人を超す。   p133

そんな時代に生まれなくてよかったなぁと、思ってしまう。
今でも政治家が「国益」って言うのをよく聞くけど、(高市さんがよく言ってる気がする)「お国のために」って「国益」と近いなぁ。こわいなあ。

日本は徴兵制がないけど、韓国の徴兵制は有名だし、台湾にもある。
台湾の徴兵制度も問題があるみたいだけど…。「私の少女時代」で主演を務めた王大陸という俳優も、兵役を逃れる目的で高血圧の診断書を手に入れるために日本円で450万円払ったという…。


北朝鮮とか、中国とか、ロシアとか、日本の周りはきな臭い。
いや、どこの国だってそんなもんかもしれない。ヨーロッパは移民難民の大量流入にあえいでいる。

話がどんどん脱線していくけど、「お国のために」と個人の利益が軽んじられたり抑圧されたりする時代には戻ってほしくないなと思う。



第三章 沐浴場とアカスリ、ふたつの国を生きた人

ちょっぴし長くなってしまったので、第三章からは次の記事で書こうと思う。最近自分自身が長いnote読めなくなってきたから…。

第四章 引揚者たちの銭湯と秘密の工場


第五章 「うさぎの島」の毒ガス兵器



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