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回転率が高い野菜は売り上げが伸びる。でも、利益が残りにくい理由


回転率が高い野菜が「正解」に見える理由

農業を始めた頃、
回転率が高い野菜は、とても魅力的に見えます。

育つのが早く、
収穫したらすぐ売れて、
現金化も早い。

ベビーリーフ、葉物野菜。
売り場に並べると、目に見えて減っていきます。

「ちゃんと売れている」
「農業として成り立っている気がする」

この感覚は、不安の多い農業では
とても大きな安心材料です。


売り上げが伸びる構造

回転率が高い野菜には、共通した特徴があります。

・生育期間が短い
・収穫、出荷の回数が多い
・需要が安定している

つまり、
売り上げが積み上がりやすい構造です。

1回の単価は低くても、回数でカバーできる。

数字だけを見ると、
「これはうまくいっている」
そう思ってしまいやすいのも自然なことだと思います。


忙しさのわりに楽にならない感覚

ただ、しばらく続けていると
こんな違和感が出てくることがあります。

・毎日作業に追われる
・休むと売り物がなくなる
・天気や体調に左右されやすい
・忙しいのに、余裕ができない

売り上げは立っている。
でも、気持ちも体も楽にならない。

これは、
個人の努力の問題ではなく、構造の問題だと感じています。


売り上げと利益のズレ

ここで一度、
売り上げと利益を分けて考えてみます。

売り上げは、「どれだけ売れたか」

利益は、「最後にどれだけ残ったか」

回転率が高い野菜は、

・種代
・資材費
・出荷手数料
・袋詰めや調整の時間

こうしたコストや労力が
何度も、細かく発生します。

その結果、

売り上げは高い
でも、利益は薄い

という状態になりやすい。

忙しさと利益が比例しない理由は、
ここにあります。


回転率が高い野菜は悪い選択ではない

誤解してほしくないのですが、
回転率が高い野菜は、決して悪者ではありません。

・就農初期の現金化
・販路づくり
・売り場の感覚を知る
・お客さんとの信頼づくり

これらには、
とても大きな役割を果たしてくれます。

「売れる経験」を積ませてくれる、
貴重な存在です。


経営として考えたときの位置づけ

ただ、経営として考えるなら、
ずっと主役にし続けるのは、少ししんどい。

回転率が高い野菜は、

・経営の土台
・キャッシュフロー担当
・入口の商品

このくらいの位置づけが、
ちょうどいいと感じています。

そこに、

・貯蔵できる野菜
・単価が取れる作物
・作業が集中しない作物

を組み合わせていく。

そうすることで、
農業は少し「続けやすい形」に近づいていきます。


おわりに:何を残したい農業なのか

回転率が高い野菜は、よく売れます。
よく売れるので安心感もあります。

でも、「売れているから正解」とは限らない。

忙しさの先に、何が残っているのか。

売り上げの数字の奥に、
自分の時間や体力、
気持ちがちゃんと残っているか。

それを考えることも、
農業を続けていくうえで
とても大切なことだと思います。

どんな野菜を選ぶかは、
どんな農業を続けたいかを選ぶことでもある。

そんなふうに、最近は考えています。

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