見出し画像

光をめざして


子供こごろに、本当に怖かったことは
親に言えなかった。


小学生の夏休み、私は父と弟と市民プールへ行き
父と幼い弟は子供用のプールへ
私は高学年だったのかな、大人用プールへ一人で行った。

足のつかない大人用プールで
私は一人
底まで潜って、足をつけ
上まで上がるを繰り返して遊んでいた。

そのうち息が続かなくなり
水面を目指しながらとても苦しくなって
きっと私は溺れていたのだろう。


もがいていると水面に赤い浮き輪が見え
無我夢中でその浮き輪にしがみついた。

よく覚えていないけれど
大人の男の人がいて
その横にいる子供が赤い浮き輪をしていた。


その浮き輪がなければ
今私はここにいないかもしれない。
本当に怖かった。

大人になるまで
そのことは誰にも言えなかった。




それ以来、深いプールや海はとても怖いのだけれど
その時に見た水の底から見上げる水面の光景は
よく思い出す。


美しい光が差し込む水中。


あの時助けてくれたのは
大いなる力だったのではないか。

なぜ私を助けてくれたのか。


私は何をやるべきと決めて
この世に生まれてきたのか。


今の私は
あの時もらった命を生かせているのだろうか。



あの時見た色を思い出しながら
心の記憶の色を塗り替えてゆく。




「光をめざして」
2026.7.26

デジタル©️hoho




昔から人魚姫の物語に惹かれて
大人になってもその絵本を買った。

何か水と縁があるのだろうか。




いいなと思ったら応援しよう!