ChatGPT GPT-5.6 がOpenAIからリリース予定
OpenAIが、GPT-5.6シリーズの限定プレビューを発表しました。モデルの名前はGPT-5.6 Sol、Terra、Lunaです。
理解しておくといいのは、三つのモデルをどう使い分けるのか、なぜ一般公開ではなく、少数のパートナーへの提供から始めたのか、そして、どんなベンチマーク結果を示しているのかです。
Sol、Terra、Lunaの三つのモデル
GPT-5.6は三つのモデルに分かれています。最上位がSol、ふだん使い向けのバランス型がTerra、速さと安さを重視したのがLunaです。
Solは、OpenAIが今回の主役として打ち出している最上位モデルです。重い作業や専門的な作業をまかせるためのもの、と考えるとよさそうです。
Terraは性能とコストのバランスを取ったモデルで、OpenAIは「GPT-5.5に近い性能を持ちながら、価格は半分」と説明しています。Lunaは、さらに速く安く使うためのモデルで、軽めの処理や大量に処理したい場面で使うものになりそうです。
この名前の付け方も、地味ながら大きな変化です。GPT-5.6という数字は世代を表し、Sol・Terra・Lunaは能力の段階を表します。つまり今後は、GPT-5.7 SolやGPT-5.7 Terraのように、世代とグレードを分けていく流れになりそうです。
公開は「限定プレビュー」から始まった
今回のGPT-5.6は、発表と同時にだれでも使える、という形ではありませんでした。OpenAIは、まず少数の信頼できるパートナーに向けた限定プレビューから始めると説明しています。
OpenAIは、広く使えるようにする方針を示しつつも、米政府とのやりとりのなかで、まずは限定的な提供から始めることになった、としています。
OpenAIは、こうした政府アクセスの手続きが長期的な標準になるべきではない、とも書いています。ここは少し興味深いところで、安全のために限定しますが、限定しすぎれば、開発者や企業が、最新のAIを早く使いにくくなります。OpenAIにとっても、かなり難しい判断だったのだろうと思います。
GPT-5.6は以前のように「はい、今日から全員どうぞ」とはいきませんでした。Claude Mythosと同様に、とても強力な道具だからこそ、まずは使う相手を絞り、様子を見ながら広げていくというリリース方法になっていきそうです。
ベンチマークは「専門性の強さ」を示している
GPT-5.6のベンチマークを見ると、OpenAIが今回見せたいのは雑談のうまさではなさそうです。中心にあるのは、コーディング、バイオ、サイバーセキュリティです。
コーディングでは、Terminal-Bench 2.1で新たな最高水準を記録したとされています。これは、コマンドラインを使い、計画し、試し、直し、ツールを組み合わせながら作業を進められるかを見るものです。

サイバーセキュリティでは、ExploitBenchという評価が登場します。GPT-5.6 Solは、Mythos Previewと張り合える水準でありながら、出力トークンは約3分の1だったとOpenAIは説明しています。少ない出力でありながら高度な作業ができるようになった、と見ることができます。

System Cardを見ると、GPT-5.6の三モデルは、サイバーセキュリティとバイオ・化学の分野でHigh capabilityとして扱われています。一方で、AIが自分自身を改良する能力はHighには達していない、とされています。
全体として、GPT-5.6のベンチマークはかなり「仕事寄り」な印象です。コードを書く、解析する、弱点を見つける、専門的な問いに答えるといった領域で前進したことを示しています。Claude Fableは文章の質もかなり良かったので、コミュニケーションや文章の自然さでどのくらい強いのかは未知数です。
まとめ
GPT-5.6はSol、Terra、Lunaという三つのモデルに分かれ、まずは限定プレビューで始まり、ベンチマークではコーディング、バイオ、サイバーのような専門作業の強さが示されました。一方で、文章のうまさやコミュニケーションの自然さについては、まだ実際に広く使われてみないとわかりません。
Claude FableやMythosも含めて、実際に広く使えるようになってから比較してみたいところです。GPT-5.6は、専門作業の強さを前面に出した発表でした。文章やコミュニケーション面での実力は、これから確かめたいところです。
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