LLM wiki簡易版の作り方
ChatGPTにいろんな相談をするとき、「自分はこういう性格で」「以前こういう失敗があって」と、毎回背景を説明していないでしょうか。そこまで伝えても、返ってくるのが一般論だと、「私の場合はどうなのか」を考えてほしくなります。
そこで使えるのが、日記や過去のnote記事をもとに作る「LLM wiki」です。
日記には、出来事だけでなく、繰り返し考えてしまうこと、関心が向くこと、避けたくなる状況など、自分の価値観や考え方の癖が出ます。LLM wikiでは、それらをAIに読ませるだけでなく、そこから見えてきた傾向を整理し、次の相談に使える形で残していきます。
通常のChatGPTのチャット履歴は、そのときの相談や調べもの、雑談などが混ざった会話の蓄積です。また、NotebookLMは、追加した資料を検索したり要約したりする用途に向いたツールです。
一方、LLM wikiで目指すのは、日記や記事の中に散らばっている自分の判断基準を整理し、「自分の場合はどう考えるとよいか」を相談できる土台にすることです。つまり、AIに毎回ゼロから資料を読ませるのではなく、AIが整理した「育っていく知識のまとめページ(wiki)」を持つという発想です。
日記や相談内容からwikiメモを作成・更新していく本格的な構成では、Codex appやClaude Codeのようなツールを使う方法もあります。ただ、最初からそこまで作り込むのはハードルが高くなります。
今回はその簡易版として、ChatGPTのプロジェクト機能を使い、過去のnote記事や日記、メモを踏まえて相談できるパートナーを作る方法をご紹介します。
ChatGPTのプロジェクトで簡易版を作る
プロジェクトは、関連するチャットやファイル、回答の方針を一つの場所にまとめておける機能です。普通のチャットで毎回日記や前提を渡すのではなく、LLM wiki用の場所を一つ作り、そこに記録を集めて相談していきます。
作り方は簡単です。ChatGPTのメニューから「プロジェクトを新規作成」を選び、「LLM wiki」や「自分用Wiki」などの名前を付けます。

プロジェクトを作成するときに、メモリの使い方を選べます。ここではいったん「デフォルト」にしておきましょう。これを選ぶと、LLM wiki内での会話は同じプロジェクト内の文脈を優先的に参照しつつ、プロジェクト外のチャットも参照できます。こうすると、普段のチャットの内容も参照して回答してくれます。

プロジェクトを作った時点では、まだ中身がないので、ここに、これまで書いたnoteの記事や日々の日記、自分について整理したメモを追加していくことで、少しずつ自分用Wikiの土台ができていきます。
ChatGPTのプロジェクトでは、自己理解のページが自動的に更新されていくわけではありません。それでも、日記を追加し、相談して、残しておきたい気づきを資料として加えるという流れを作るだけで、単発のAI相談とは違う、自分の記録を土台にした相談場所になります。
次は、このプロジェクトにnoteの記事や日々の記録を追加する方法を紹介します。
noteの記事や日々の記録を追加する
プロジェクトを作ったら、LLM wikiの材料になる記録を追加します。
まずは、これまで書いてきたnoteの記事をまとめて入れてみます。noteには、投稿した記事を一括でエクスポートする機能があります。自分の記事を一つずつコピーする必要はありません。
noteの記事をエクスポートして追加する
noteの記事のエクスポートは、ブラウザ版のnoteから行います。「エクスポート機能の使い方」をご覧ください。エクスポート開始後、3日以内に完了メールが届くので、メール内のリンクからZipファイルをダウンロードします。Zipファイルを解凍すると、記事本文を含むXMLファイルと、画像や音声などが入った「assets」フォルダがあります。今回は、XMLファイルをChatGPTのプロジェクトにアップロードします。

プロジェクトのトップページの下の方にある、「情報源を追加する」を押しましょう。

xmlファイルをアップロードするか、ドラッグアンドドロップしてください。

日々の記録も追加する
LLM wikiを自己理解や棚卸しに使うなら、noteの記事だけでなく、日々の記録も追加していきます。日記については、プロジェクト内に日記用のチャットを作り、日付ごとに記録を追加していく方法が簡単です。
最初の画面でまず日記準備用プロンプトを入れましょう。その後にその日の日記を入れていきます。

【日記準備用プロンプト】
20260527_diaryというタイトルにしてください。日記を書いていくので、入力ごとにやや長めにコメントしてください。コメントはやや長めに、感情や思ったことをもっと書いた方がいい点があれば指摘して、今日何個目の記録かを明示してください。この命令にはタイトルだけを返信してください。チャットのタイトルにはこのタイトルを使い、全角文字や日本語は使わないでください。
日記は、完成した読み物である必要はありません。むしろ、日常の中で感じたことや、迷ったこと、自分について気づいたことが残っている方が、あとから振り返る材料になります。
たとえば、次のような形で「何があった?」「どう思った?」「自分についてわかったこと」というフォーマットで書いておくと、AIが整理しやすくなります。
# 2026-05-27
### 何があった?
- 夏に涼しく過ごせる旅行先を探していた。
### どう思った?
- 有名な避暑地は混雑や宿泊費が気になる。
- 観光を詰め込むより、涼しい場所で静かに過ごせれば満足かもしれない。
### 自分についてわかったこと
- 旅行先では、観光地の多さよりも、混雑の少なさや落ち着いて過ごせることを重視している。
このような記録が増えると、あとから「旅行先を選ぶときに重視していることは何か」「以前と比べて暮らし方の希望は変わっているか」といった形で振り返れるようになります。
記録から見えたことがLLM wikiになっていく
noteの記事や日記を追加しただけでは、まだ「資料を置いた」状態です。
もちろん、それだけでも検索や要約には使えますが、LLM wikiとして使うなら、もう一歩進めて、記録から見えてきた傾向をまとめておくと便利です。
日記をいくつか追加したら、すぐに個別の悩み相談に使うだけでなく、まず「この記録から何が見えているか」を整理してもらいます。
たとえば、
「追加した記録から、今後も参照できそうな自己理解のテーマを抽出してください」
「繰り返し出てくる価値観、判断基準、苦手な状況を分けて整理してください」
「いままで全ての内容をLLM wikiに残すなら、どんなまとめページにするとよいですか」
などと聞いてみます。
大事なのは、その回答を読んで終わりにしないことです。「これは今後も相談の前提にしたい」と思った内容があれば、短いまとめとしてプロジェクトの中に残しておきます。記録専用のチャットを一つ作っておくといいでしょう。
ブラウザ版のChatGPTでは、Codex appのようにページをAIが整理していくわけではありません。そのため、気づいたことを自分でメモとして整理する手間があります。
それでも、この作業を少しずつ続けると、プロジェクトは単なる資料置き場ではなくなります。日記やnoteの断片から、自分の判断基準や価値観をまとめた「相談に使えるWiki」に近づいていきます。
つまり、LLM wikiは記録を入れ、AIに整理してもらい、使えそうな気づきを残すという繰り返しを行うことで、少しずつ「自分の場合はどう考えるとよいか」を相談できる場所になっていきます。
自分のことを知っているAIに相談する
日記やメモを入れたAIには、自分のことを相談する相手としての使い方があります。
人に相談するときは、自分の背景を短く説明しなければなりません。しかし、「自分はこういう性格で」「以前こういう経験があって」とまとめるうちに、本当は重要だった個別の事情や、そのときの感情は抜け落ちてしまいます。
日記やメモがあれば、AIは相談内容に関連する過去の記録を参照しながら答えられます。一般的なアドバイスではなく、自分が過去にどう考え、何に迷ってきたのかを踏まえた相談がしやすくなります。
この使い方は、ジャーナリングにも少し似ています。今の考えを書き出し、AIと話しながら整理することで、自分が何を気にしているのか、どんな判断軸を持っているのかが見えやすくなります。さらに、そこで得た気づきを残していけば、次の相談でも使える材料になります。
ChatGPTのプロジェクトで作る簡易版でも、日記やnoteの記事を入れ、相談の中で見えてきた気づきを少しずつ残していくことで、自分の事情を踏まえて考えてくれるパートナーに近づけていけます。
まとめ
今回は、ChatGPTのプロジェクトを使って、簡易版のLLM wikiを作る方法を紹介しました。
noteの記事を入れれば、これまでの発信を振り返る材料になり、日記やメモを入れれば、自分の過去の考えや事情を踏まえて相談できるようになります。
簡易版では、自己理解が整理されてまとめページが作られるわけではありません。それでも、ChatGPTが過去のチャットを参照するようになればなるほど、毎回自分を説明し直さずに相談できる場所へ育っていきます。
日記は、書いて終わるものではなく、未来の自分が迷ったときに使える記録にもなります。まずは、過去の記事や最近の日記を入れて、話しかけてみてください。
よくある質問
Q. 日記は別の日も全部同じチャット内に続けていっていいの? チャットタイトルが日付だから、別のにしたほうがいいの?
A. 自分が管理したり見やすい方で大丈夫です。 プロジェクト内に書かれていれば月ごととかで分けてもいいので、管理しやすいやり方でやってみてください。月ごとに分けるとこういう見え方になります。
Q. プロジェクト設定から「指示」を入力した方がいいですか?


A. 特に入力しなくても大丈夫かとは思いますが、動作調整したい場合は以下の指示を入力して下さい。
【指示】
・このプロジェクトは、日記や過去の文章をもとに自己理解を深め、自分を理解した相談相手として今後の相談に活かすために使います。一般論だけでなく、プロジェクト内の記録から見える本人の価値観、判断基準、苦手な状況、繰り返し考えていることを必要に応じて踏まえて回答してください。
・本人の日記やnote、発言を特に重視してください。ChatGPTとの会話ログを参照する場合は、本人の発言や反応と、AIによる提案・解釈を区別して扱ってください。
・自己理解については、記録から確認できることと、そこから推測されることを区別して扱ってください。
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