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大谷翔平選手に、清水の次郎長を見る ~第三の魅力発見~

 大谷翔平選手の第一の魅力と言えば、攻守走、二刀流の活躍でしょう。「心技体」のそろった万能選手を印象付けられていますね。
 今、第二の魅力としては、ユーチューブでは、その礼儀正しさ、細やかな気配り、優しい思いやりが注目されています。対戦相手の監督に挨拶し、周りの選手や審判に気配りをし、幼いファンに優しく応対する。「文武両道」人柄の魅力ですね。
 ところが、ここに第三の魅力が注目され始めました。
 バッターボックスで右肩に死球。二刀流復活の要、ピッチャーの命の右肩、それも約660日の治療とリハビリを経て、やっと復活にたどり着いたばかりの右肩。すべてのファンが注目し期待している右肩に、なんと相手ピッチャーが意図的に剛球をぶつけたのです。乱闘事件が起きてもおかしくはありません。実際に、両チームが、これまでの死球合戦もあり、殴り合いが起こりそうな危機的状況になりました。
 ところが、ただ一人、大谷翔平選手だけは冷静でした。しかも決然としてしていました。まず、味方チームに対して両手で下がれと抑えるポーズを繰り返しました。
 そして、一塁に出ると、今度は両手を背中に回して握り、相手チームに近づいていき、何事かにこやかに話しかけているではありませんか。全身で暴力をふるうことを否定したポーズでした。これでは、乱闘事件は起こりません。それぞれが、大谷選手が咄嗟に判断して計算した動作でした。
 乱闘寸前の危機対応、自軍のチームを押さえるリーダーシップ、相手チームへの気配り対応による全体をまとめ上げるマネジメント。そのすべてを、現場の観客とテレビの視聴者が見たのです。
 第三の魅力とは、「平和を守る指導者」の器。
 まだ三十一歳の若さです。監督やコーチではありません。なのに、デッドボール騒動の全体を治めたのは、大谷選手だったのです。もっと、歳をとっていれば、さらに貫禄もでてくるでしょう。貫禄で、つまらぬ争いごとを治めるとしたら、誰に似ているのでしょうか。
 頭に浮かんできたのは「清水の次郎長」親分でした。
 極端な例えではありますが、親分の器で、プロスポーツのトラブル、対立を治められる。そんな見事な対応力を示してくれたのが、今回のデットボール事件でした。
 本来なら自分の大切な右肩を故意に傷つけられたら、バットを持って反撃してもおかしくはないのです。これは大谷選手が、日頃から「自分より人様」を徹底してきたからこそ、いざというときに自分へのこだわりを捨てて、選手と観客を争いごとから救い出すことができたのです。
 当の被害者でありながら、この冷静な対応力は凄いです。
 私の半分以下の年齢で、悟りの境地か。どうしたら、こんな人物になれるのだろう。マンダラチャートを私も書こうかなと思った今日この頃でした。もう、遅いかもしれませんが。
 しかも、危機対応だけではありません。大谷選手はアフターケアまでしているのです。
 オールスター戦で、1カ月前に死球を与えた当の投手に歩み寄って、死球の痛みを大袈裟に滑稽に演じてジョークを連発。その選手の心の底の罪意識や不快感を取り除こうとしたのです。
 その投手も超一流。でも古い。大谷選手以前の大リーグは戦いの戦場。やられたら、やり返すのが、当たり前。格闘技の世界でした。でも、ファンの誰が暴力プレーを望むでしょうか。
 加害者の心の闇を取り除こうと、大谷選手はオールスター戦で、相手投手に思いやり溢れるおふざけをしたのです。ここまで、できるか。機転が凄い。危機対応の後で、アフターケア、心の後遺症まで救おうとしたのです。
「神様対応」ができる選手ですね。
 将来引退したら、大谷選手は、指導者の道を歩むことになりそうです。でも、プロ野球や大リーグを超えた指導者になるかもしれません。スポーツの分野も超えて、世界の平和を求める指導者に。
 期待しすぎかもしれません。
 「無理しないでくだいさいね」と独り言。
 明日、マンダラチャートの本を買いに行こうかと思った次第です。



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