日和乃日和【小説】世界動物の日2025年10月4日
母は過保護だ。
私はそんなに子供じゃない。
虫の鳴き声に耳を傾ける、そんな季節。
家のお庭から可愛い声が聞こえるようになった。
あまり出会うことは無い可愛らしさ、招かれざるお客様に失礼のないようにあまり関わりは持とうと思わなかった。
秋をすぎ、冬を超え、それでもなお住み着いていた。
いなくなったかな?
3度目の冬。
暖かいコーヒーに指を当てている昼頃、可愛い声が1つ増えた。
お庭から母を探す声をよく聞くようになったのだ。
そして出会いも唐突に訪れる。
目の前には小さな子猫が出てきてしまったのだ。
お互いに望まない出会い。
目には恐怖。
口からは助けを呼ぶ声。
何も食べたりしないのに。
影はすぐに駆けつけた。
冷えた道を飛び出し、小さなお客様と私の間に着地する。
息を引っ掻くような声とともに、牙をさらした。
この猫は母だ。
子を案じ、大きな相手でも億さず、
その姿は誇りすら思わせる。
昔、母は私の前に立ち、
声を荒らげたことがあった。
その姿は震えながらも、母として、凛とした姿なのを覚えている。
獣と言われようと
母は、母なのだ。
招かねざるお客様は、今は私かもしれない。
日和乃
