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ビビッと恋に落ちるはず

#ショートショート  本文:750字)

 魔法の呪文は『アブラカダブラ』。
 これは治癒や守護の呪文として知られている。この呪文には多くの派生・展開型があるが、そのうちのひとつに、恋の呪文がある。

『アブナカタブツ』
 この呪文を唱えれば、どんなに恋と無縁のカタブツでも、危ないほどに深い恋に落ちるらしい。本当かどうかは知らない。ウワサだ。

 右手の人差し指を立てて呪文を唱え、背後から対象者の左肩を叩き、振り返って対象者の頬がその指に触れると魔法が発動し、ビビッと恋に落ちるらしい。ほんとかな。かなりウソくさい。

 彼はラグビー部の主将。頭の中はラグビーでいっぱい。その硬派なカッコよさに魅せられ、何人もの女子が告白するも全員撃沈。彼女たちは、にべもなく断られ続けていた。

 私はマネージャー。彼の近くにいるだけで幸せだった。けれども、彼が最後の大会を終えて部を引退することになり、もう彼に会えなくなってしまう。

 そこでわらにもすがる想いで、このちょっと信じられない魔法を彼にかけてみようと思ったのだ。あやしい呪文、大丈夫かな。

 彼がひとりでボール磨きをしながらグランドを見つめているとき、私は背後からそっと忍び寄り、右手の人差し指を立てて呪文を唱えた。

「アブナカタブツ」

 私は彼の左肩を叩いた。彼が振り向き、その頬が私の人差し指に触れたとき、私の指にボキッと衝撃が走った。

 ボキッ? あれ? ビビッと恋に落ちるんじゃないの?
 ——私は気を失った。

 私が目を覚ましたとき、彼の申し訳なさそうな顔があった。病院のベッドだった。あのとき、彼の鍛えられた硬い頬が私の指をあらぬ方向に曲げたのだ。

 彼は、指の骨折が治るまで看病してくれて、そのあともずっと私を気遣い、二人は付き合うようになった。

 こうして、私の恋はウソみたいな魔法で成就した。

めでたしめでたし

はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
こちらの企画に参加します。

ナルさん、よろしくお願いします。
今回もスピンオフよりの全部入りです。
#片想い文芸部 #魔法 #肩たたき文芸部

Talesやってます。読みに来てね。

では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。

またね~!

いつきさんの賑やかし帯を使わせていただいてます。
いつもありがとう\(^o^)/。

#ほぼ毎日ショートショート

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