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箕面の山にて|霜月掌編集

#ショートショート  本文:738字)

 箕面みのお山。深き霧の朝、男は狩りのために従者を従えて山へ分け入った。彼はただの男ではない。弓術の達人であり、狩りを武道の一環として捉えていた。獲物を仕留めることよりも、自然との呼吸を合わせることに重きを置いていた。

「獲物を追うな。風を読むのだ」と彼は言う。

 彼らが進む山道は、落葉に覆われ、足音すら吸い込まれるような静けさだった。彼は立ち止まり、指を空にかざす。風が南から吹いている。獲物は北の沢の方だと読んだ。

 従者は焦りを見せる。
「殿、早く行かねば逃げられまする」

 男は首を振る。
「逃げるものを追うは下策。待つことこそ、狩りの極意」

 彼らは沢の上にある岩場に身を潜め、息を殺す。やがて、霧が晴れて獲物が目の前に現れた。その美しさは燃える炎のようであり、まるで世の終わりを思わせる鮮やかさであった。

 男は弓を構え、矢をつがえる。だが、放たれた矢は獲物には届かず、近くの木の幹に刺さっただけだった。

 従者が驚きの声を上げる。
「なぜ、仕留めなかったのですか!」

 男は静かに答える。
「あれは幻だ。我が心に迷いがあった。迷いある矢は放つべきではなかった」

 獲物は霧の中へ消えた。男は弓を収め、従者に言った。
「今日の狩りは、我が心の狩りであった。獲物を仕留めずとも、己を知ることができた」

 従者が言った。
「もうよろしいのではないですか」
「そうかも知れぬな」
 男が頷く。

「じゃ、このあたりで食用の葉を摘んで帰りましょうよ。業者に売れば小遣い稼ぎになるって話です。ほんとかどうか、知りませんけど」
「そりゃいいな。それにしても、今年の景色も素晴らしかった。これだから狩りはやめられんなぁ」

 箕面山での紅葉狩りのおみやげには、名物「もみじの天ぷら」がおすすめです。皆さんも良き秋を。

(了)

毎年、役を交替して楽しんでいるそうです。フィクションですよ!


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#霜月掌編集 #11月らしい小説

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#紅葉狩り #11月の暮らし #弓術 #獲物 #達人 #箕面 #もみじの天ぷら

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