モテ期のおもひで|#せりふ三題噺
( #ショートショート 本文:698字)
「先輩、今日は飲んでますね~」
「山田~おまえももっと飲め~」
俺は久しぶりに山田と飲みに来ている。学生時代は毎日一升瓶を抱えていっしょに飲んでいたが、社会人になってからは数えるほどしか飲んでいない。
最近は山田が新婚なので遠慮していたが、今日は奥さんが友だちと旅行中だと聞き、俺が呼び出した。食べたり飲んだり、あれこれしゃべっているうちに昔の話になった。
「高校時代、最後の最後で俺はモテたんだ」
「それまで全然モテなかったのによかったですね」
うるさい。余計なお世話だ!
「卒業式が終わって自転車で帰ろうと駐輪場に行くと、クラスのマドンナが俺を待ってたんだよ」
「刺されると思ったんでしょ」
かなり恨まれてるから、グサッとやられるかと……なんでやねん!
「第二ボタンをくださいと言われて、びっくりしたよ」
「それで、全部ボタンをはずして素っ裸になったんですか」
そうそう、制服も下着も脱いで……って、それをやったら犯罪や!
「そのあと自転車を押して彼女といっしょに帰った。帰り道で買って食べたたい焼き、うまかったな」
「彼女に頭から食べられたんですね」
あんこが尻から出てきて……って、彼女はサイコパスかい!
「でも、それっきりだったな。この話は誰にも言うなよ。特に、家の者には絶対内緒だからな」
「わかってますって」
そのあとのことは覚えてないが、山田はベロンベロンに酔った俺を家まで送ってくれたらしい。
翌朝、妻が「あなた、ほんとタフよね~」と言うので、俺は「何のことだ?」と聞いた。
「だって、サイコパスにナイフで刺されて、裸にされて、頭から食べられたのにまだ生きてる。あなたって、すごい生命力だわ」
(了)
「俺は不死身なんだよ」と返したら、カッコいいかも。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
はらとけいさんの企画に参加します。
よろしくお願いします。
#せりふ三題噺 #内緒だからな #第二ボタンたい焼き駐輪場
TALESにて毎週2話ずつ連載中。読みに来てね~。
では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。
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