七転び、やっと起き|#アマノ文筆クラブ
むかしむかしあるところに、とにかく寝ることが大好きな男がいた。
ひまさえあれば寝る。ごはんを食べても寝る。歩きながらでも寝そうになる。
そんな男が家の真ん中で大の字になって昼寝をしていると、奥さんがほうきを持ってため息をついた。
「掃除のじゃまだから、今日は裏山のてっぺんででも寝てきておくれよ。ぽかぽか陽気で気持ちいいし」
そう言われ、男は半分以上寝ながら裏山へ向かった。
山道をのぼっていると、上の方から、おむすびがいくつも転がり落ちてくる。
そのあとを、必死の形相で追いかけてくるおじいさん。
「ま、待てい! わしの昼飯〜!」
おじいさんが足をもつれさせ、よろけた勢いで男にドンとぶつかった。
その瞬間、男の身体は転がった。
前転、後転、側転、宙返り――くるくるくるくると器用に転がっていく。
七回転目、男はぽっかり開いた穴にストンと落ちた。
男は、後方伸身宙返り三回ひねりで穴の底に華麗に着地した。本人は寝ぼけながらも、高難度の技を決め、そこで目が覚めた。
穴の中では、ネズミたちが円座になっておむすびを食べていた。
「梅うまいな」「昆布もいいぞ」「おかかは香りがええ」「ツナマヨは最高や」
みんな幸せそうに頬をふくらませている。
そこへ男が降ってきたので、ネズミたちはびっくりしたが、すぐに礼儀正しく言った。
「おむすびを落としてくれたお礼に大きいつづらと小さいつづら、どちらか一つをプレゼントするよ」
男はしばらく考え、ぽつりと言った。
「大きくても小さくても、どっちでもいい。つづらよりも……枕がほしい」
そう言いながら、男はつづらを枕に、うつらうつらと穴の底で気持ちよさそうに眠り始めた。
(了)
幸せな夢を見てくださいね。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
甘野充さんの企画に参加します。
よろしくお願いします。
#アマノ文筆クラブ #七転びやっと起き
メンバーシップやってます。メンバー絶賛募集中。
では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。
#裏山 #山道 #おむすび #前転 #後転 #側転 #宙返り #後方伸身宙返り三回ひねり #着地 #高難度 #梅 #昆布 #おかか #ツナマヨ #つづら #枕
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!