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携帯電話を川に落としたよ|#アマノ文筆クラブ

#ショートショート  本文:659字)

 男が携帯電話を川に落として困っていた。
 すると、川からヌシが現れて言った。
「あなたが落としたスマートフォンはこれかな。それとも、これかな」
 ヌシは、右手に金のスマホ、左手に銀のスマホを持っていた。

「え?」
 男が言葉に詰まっているとヌシは説明し始めた。
「金のスマホは超高級品。高性能で高精細。純金製で超高価」
 金のスマホをほおずりしながら、この感触は最高、と自慢する。
「銀のスマホは普通のスマホ。毎月二千円で二年間機器代金を支払って入手できるスマホ」
 防水だから、ちゃんと使えるよ、ほら……と通話を始める。

「あなたのスマホはどっちかな。十秒以内に答えて……十、九、八……」
 残り一秒となったところで私は答えた。
「私の落とした携帯電話はどちらでもないです。黒い3Gケータイです」

「そうなの? まだ、そんなの使ってるの? 3Gじゃ通話もできなくなるよ。キャンペーンしてるから最新スマホに買い替えようよ」
「いいんです。その3Gケータイには別れた彼女との思い出が残ってるんです。未練がましいかな」
「そんなことない、ない。素敵な話だよ」

 ヌシはそういうとポケットから3Gケータイを出して男に渡した。
「はい、これ。分解して乾かしたら、ちゃんと動作したよ」
「ありがとうございます。よかった!」

「それにしても、正直者だね。もし、金のスマホを落としたって言ってたら、その3Gケータイからデータ移行してから、金のスマホをあげたのに……」

「え! あ……その……ほんとは……金のスマホを落としま……」
「ダメだよ! もう十秒、経っちゃってるよ」

(了)

私はこれから古いスマホを川に落としに行こうと思います。


はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
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#アマノ文筆クラブ #携帯電話を川に落としたよ


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では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。

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