ショートどうだ!?
「ショートどうだ!?」
最終回、いきなり監督が俺に向かって叫んだ。草野球のベンチがざわつく。俺は一塁手(控え)だ。走るのも守るのも自信がない。それなのにショート? ムリムリムリムリ!
「大食い大会で優勝した集中力、見せてみろ!」
監督、それ、いま関係ある?
不敵に笑う監督に押し切られて、守備に就く。
二死満塁。ヒットを打たれればサヨナラ負け。ここを守り切れば勝ち。心臓の音がうるさい。だが不思議と、目の前の一球にだけ集中できていた。――あのときと同じだ。目の前の皿を片付けることだけを考えていた、あの感覚。
カキン!
現実に引き戻された。打球が来た。速い。速すぎる! 身体が勝手に動いた。転ぶ、滑る、なぜか一回転。でもグラブにはボールが入っていた。
「投げろー!」
誰かが叫ぶ。どこに!? 一塁だよな!? とりあえず投げた。送球が右に逸れた。だが一塁手が必死に手を伸ばしてキャッチ。アウト!
ゲームセット。全員がわっと飛びついてくる。試合終了のあいさつを終えてベンチに戻ると、差し入れのケーキが並んでいた。
俺はフォークを手に取り、にやりと笑う。
「おかわり、ありか?」
みんながシーンと静まった。
「ケーキはショートより、ホールまるごと食べるのが俺の主義なんだ」
次の瞬間、ケーキを守るために全員がフォークを手にいっせいに動き出した。
――試合より激しい戦いが始まった。
(了)
ショートケーキと言えば、イチゴのショート。甘いの大好き!
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
甘野充さんの企画に参加します。
よろしくお願いします。
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TALESにて絶賛連載中。アマノ文筆クラブの作品だよ。応援してね。
では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。
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