そのとき彼女は静かに目覚める
( #ショートショート 本文:410字)
高校一年の中間試験中に彼女は倒れ、そのまま息をするのをやめた。
幼馴染だった。ずっといっしょにいたので気づかなかっただけで、ぼくはいつの間にか彼女に恋をしていた。くだらない話をしているときも、いつ告白しようかと、そればかり考えていた。
なのに、彼女は……。
葬儀の日、最後のお別れのとき。彼女の穏やかな白い顔はまるで寝息を立てて眠っているようだった。
「どうして……。まだ伝えたいことがあったのに……」
胸の熱いしずくがぼくの瞳を通して頬を流れた。
その瞬間、頭の中にひとつの言葉がふっと形をなした。ぼくは無意識にそれを口にした。
「少女よ。起きなさい」
聖書の一節だ。亡くなった会堂管理人の娘にイエスがかけた言葉だ。娘は目を覚まして起き上がる。
お願いします。神よ。奇蹟を見せてください。
神はぼくの祈りに答えてくださった。棺の中の彼女の胸がかすかに上下し、彼女は静かに目を覚ます。
そのとき、ぼくの初恋はよみがえった。

はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
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主宰: #たらはかにさん
企画: #毎週ショートショートnote
お題: #蘇生試験
裏のお題は「火星馬券」の作品はこちらです。
作中の聖書個所はマルコの福音書 5章41節です。彼もクリスチャンだったんですね。

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ファンタジー小説部門(連載中)
エンタメ原作部門(完結済)
では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。

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