おみやげもらった
( #ショートショート 本文:868字)
「鈴木くん。あそこの魚、ナマだとまずそうね。こっちの熱帯魚は揚げるとおいしいに違いない」
ぼくは、あにゅい先生とデートで町立水族館に来ている。もっとも、先生は研究のために魚を見に来ているだけみたい。
「先生。そろそろイルカショーの時間ですよ。行きましょう」
「そうね。行こ行こ、楽しみ~」
今日は特別に観客の中から希望者1名がイルカに乗れるらしい。
希望者を募るトレーナーのおにいさんに「ハイハイハイ!」と手を上げる先生。無事、先生はイルカに乗る権利を得た。
「ここに名前を書いてください」
おにいさんから渡されたシャープペンで申込書に名前を書く。
「では、裏の更衣室でウエットスーツに着替えてください」
「大丈夫。準備してきたから」
先生はいきなり公衆の面前で服を脱ぎ始める。
見ちゃダメ~! でもちょっと見たい~!
先生は服の下にビキニを着ていた。残念だったが、初めて水着姿を見れてうれしい!
いや、そんなこと言ってる場合じゃない。先生は泳げないんだ。
イルカショーが始まり、観客席は大盛り上がり。ぼくは先生のことが気になってそれどころではなかった。
先生はステージの袖で、よだれを垂らしながらイルカを見ていた。
(先生、頼むから、イルカを試食しないでね)
いよいよ先生の出番になり、先生はイルカにまたがった。ところが、すぐに振り落とされて水にドボン。イルカも先生に齧られるのは恐怖だったんだろうな。
トレーナーのおにいさんがすぐに飛び込んで、水中でジタバタおぼれている先生を救助して事なきを得た。
ショーが終わって、ぼくは舞台裏に先生を迎えに行った。
「先生、ちゃんとイルカに乗れましたよ」
「社交辞令はよしてよ。一瞬しか乗れてないわよ」
それでも先生はご機嫌でデートを終えた。なぜかというと、水に落としてしまったことを謝るトレーナーのおにいさんから、「全然、大丈夫。その代わり、これちょうだい」とおみやげをもらったからだ。
先生は研究所に戻って、バケツ一杯のイルカのエサを料理した。
そして、ぼくはいつもの通り、珍妙な料理の試食係をさせられた。

はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
こちらの企画に参加します。
はらとけいさん、いつもありがとうございます。
よろしくお願いします。
主宰: #はらとけいさん
企画: #せりふ三題噺
お題: #おいしいシャープペン水中 「社交辞令はよしてくれ」
久しぶりのあにゅい先生と鈴木くんの登場です。
なかなか二人の距離は縮まりませんね~。
一番最近のお話はこちらです。
創作大賞に応募しています。( #私の作品紹介 )
連載開始しました。
他の作品(完結済)
共作企画やってます。与仁岡町に遊びに来てね。
では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。

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